静岡県熱海市にある「熱海港海釣り施設」は、熱海市街からもほど近く、観光と併せて釣りを楽しめる人気のスポットだ。この施設の最大の魅力は、初心者に優しい環境が整っている点にある。道具類はすべてレンタル可能で、釣り方もインストラクターが丁寧に指導してくれる。全く釣りをしたことがない人が「手ぶら」で訪れても安心だ。さらに、近隣の提携飲食店で、釣った魚を調理して食べられるサービスも用意されている。堤防は釣りができる区画が決められており場所取りのトラブルとは無縁。各所には真水が出る水道や休憩用のベンチも設置。管理棟には清潔なトイレのほか、飲食物やエサ、仕掛けの売店も完備しており、誰もが快適に一日を過ごせるよう工夫されている。釣れる魚の代表格は、塩焼きにすると絶品の「タカベ」。これはレンタルタックルの仕掛けでもある「トリックサビキ」で、通年狙うことができる。また、カゴ釣りや投げサビキなどの仕掛けで臨めば、アジやサバといったお馴染みの魚はもちろん、ブリやカンパチといった大型青物の回遊も期待できる。堤防沖の根回りにはマダイやメジナなども潜んでおり、ベテランアングラーも存分に楽しめる、懐の深い釣り場である。

・釣りポイント

釣り座は、堤防根本寄りの「貸竿エリア（40座席）」と、その先の「持ち竿エリア（70座席）」に区分されており、定員に達した場合は入場制限が掛かる。人気の釣り場のため、特に休日は制限が掛かりやすく、注意が必要。
釣り場の特徴としては、堤防の足元は水深8mほど。そこから沖に向かって緩やかに傾斜し、深いところでは水深15mに達する。海底は、堤防際から約6m沖まで基礎ブロックが敷かれ、その先は岩礁が点在する砂地となっている。障害物が豊富なため、仕掛けを海底に這わせる「投げ釣り」は根掛かりが多発し、釣りにくい。しかし、この基礎ブロックや岩礁帯こそが好ポイントであり、メジナ、根魚、カワハギなどの魚が居着く。また、沖合の深みはブリやカンパチといった青物の回遊ルートにもなっており、「持ち竿エリア」では、これらを遠投の利くカゴ釣りで狙うアングラーが多い。なお、中央の突き出した堤防、堤防先端、および港外側のテトラ帯は立入禁止エリア。

タカベは熱海港内を年中回遊している。アジやイワシなどと比べると非常に警戒心が高いため、擬餌バリのサビキ仕掛けでは反応しにくい。そのため、タカベ狙いでは、ハリに直接エサを付ける「トリックサビキ」が使われる。コマセをピンポイントで効かせ、仕掛けをコマセの中に紛れ込ませるのが釣果を伸ばすコツだ。また、タカベは堤防の足元にコマセを撒く貸竿エリア付近に溜まる傾向が強い。そのため、タカベを持ち竿で狙う場合は、貸竿エリアがある堤防の根本寄りに釣り座を取るほうが釣りやすい。

熱海港内まで潮が回ると、それに乗って回遊して来たアジやサバ、タカベなどの小魚が港内に溜まる。これを狙って青物などのフィッシュイーターも回遊してくる。なお、泳がせ釣りは禁止されているので注意が必要。

・季節別ターゲット

• 春 ・トリックサビキでタカベ、カゴ釣りでクロダイ・マダイ・メジナ
• 夏 ・トリックサビキでタカベ、カゴ釣りで青物
• 秋 ・トリックサビキでタカベ、カゴ釣りで青物
  ・マダイ、投げサビキでアジ
• 冬 ・トリックサビキでタカベ、カゴ釣りでメジナ

自分で釣具を用意するなら…

【タカベ狙いのトリックサビキ】

サオ：3m前後の磯竿など
リール：スピニングリール2000~2500番
イト：ナイロンライン2～3号
仕掛け：市販のトリックサビキ仕掛け
エサ：アミエビ

【カゴ釣りで多魚種狙い】

サオ：遠投磯竿3号5.3m
リール：中型スピニングリール4000番
イト：ナイロンライン6号
仕掛け：遠投ウキ8号、テンビンカゴ（オモリ8号）、市販カゴ釣り仕掛けなど
エサ：オキアミ

・施設インフォメーション

・釣り場マップ