釣りはじめていいですか?

初めての投げ釣り 砂浜でシロギス釣り

その 14

初めての投げ釣り 砂浜でシロギス釣り
(千葉県・内房)

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
釣りってどうやってはじめるのか、テーマごとに学んでいきましょう。
生徒は「釣り堀めぐり」をしている河﨑莉奈さんと、駒澤清華さんです。


左:河﨑莉奈(かわさき・りな)さん、中央:駒澤清華(こまざわ・きよか)さん。右が今回釣りを教えてくれる、つり人社「月刊つり人」編集長の佐藤俊輔さん。
※撮影時のみマスクを外して取材を行なっています

▪ 連動動画でもチェック!
https://youtu.be/e3yA1KUL4K8

今日釣りたい魚はシロギス。日本に広く分布しており、海釣りの代表的な人気魚種で、天ぷらにして食べると大変おいしい魚です。沿岸部の砂地の海底に生息し7~10月は産卵に備えて接岸するので、砂浜から20~30mほど投げる「ちょい投げ釣り」で簡単にねらえます。「ちょい投げ」とは、長いリールザオを使って仕掛けを遠くに飛ばす本格的な投げ釣りとは違い、短めのリールザオで仕掛けを10mから50mくらいまで投げる釣り方のことです。釣具店には低価格で買えるビギナー向けのサオ・リール(イト付き)のセットがあり、簡単にはじめられるので、女性や子どもでも手軽に楽しめます。

今回は千葉県の内房にある竜島海岸に来ました。駐車場やトイレが併設されているので、ビギナーや家族連れの方も釣りがしやすい環境です。シロギスは砂底の場所であればどこでもねらうことができる魚です。砂浜が代表的な釣り場です。近くの釣具屋さんなどで有望な砂浜を聞くといいでしょう。

◎内房の竜島海岸(千葉県)
鋸南保田I.C.から車で約10分
駐車場、トイレあり

シロギスちょい投げ釣りの道具

シロギスのちょい投げ釣りは非常に気軽に楽しめますが、服装には気を付けましょう。虫刺されや日焼けのことを考えると、長袖・長ズボンがオススメ。砂浜の波打ち際での釣りなので濡れてもいいウォーターシューズ系がオススメです。サンダルでもよいですが、足首をストラップで固定できるようなホールド感の強いものがベターです。また、砂浜は日差しを遮るものがないので、晴天の日は極力帽子を被り、また水分補給のための飲料水は忘れず用意しましょう。安全のためライフジャケットも着用しましょう

ちょい投げ釣りに使うサオは、30g前後のオモリを扱えるものであれば、投げ釣り専用のものでなくて構いません。シーバスロッド、エギングロッド、コンパクトロッド、投げザオなどの2.4~3.6mが扱いやすいです。リールは2000~3000番のコンパクトなスピニングリールを用意しましょう。リールは釣り具店で巻いてもらえます。もしくは、すでにリールにイトが巻いてある場合はそのままでもOKです。砂浜で釣りをする際には、「サオ立て」があると、エサをつける時や仕掛けをつける際に、サオやリールを砂に付けずに固定できるので便利です。サオやリールに砂が付くとトラブルの原因になります

オモリは18~20gのちょい投げ専用のテンビンオモリを使いましょう。仕掛けは2~3本バリのちょい投げ用のものがおすすめ。仕掛けの長さは1m以内のものを選ぶと糸絡みなどのトラブルが少なく使いやすいです。オモリと仕掛けはどちらも釣具店で簡単に購入することができます

エサはジャリメ(上)やアオイソメ(下)を使います。ジャリメは、シロギス釣りの代表的なエサで、細身でシロギスが食べやすいサイズのエサです。アオイソメはジャリメと比べると身が太く、水中での存在感があります。シロギスによりエサの存在をアピールできる為、食いが渋いときに使うと反応が出る場合があります。エサは釣りをする日に、釣具店で相談して購入するとよいでしょう

指サックを指にはめると、手を汚さずにエサづけができます

石粉(エサ付け用の粉として釣具店で販売しています)をエサにまぶすことによって、エサを滑らずにつけることができます

エサをつけるときは、頭からハリを刺して、ハリが隠れるくらいまで刺したらハリ先を出します。 エサの長さはハリの長さの1.5~2倍になるくらいにカットして調節しましょう

シロギスの居場所

シロギスは砂地を好んで生息します。普段は海底のすぐ上を泳ぎながら、エサは砂と一緒に吸い込むようにして食べるので、砂浜の水底付近をねらうのがよいでしょう

この日、釣りをはじめたエリアは砂浜の海岸です。シロギスは砂地を好んで生息しているため、砂浜の水底付近をちょい投げでねらいます。シロギスは集団で移動します。また、オモリの着水音に驚いて散ってしまう場合があります。反応がなければ、10mほど横に移動して投げたり、投げる方向を変えましょう。それでも反応が得られなければ、釣り場所自体を変えることが有効です。移動しながら釣りをする際には、周りの釣り人との距離が近くなりすぎないように注意しましょう

シロギスのちょい投げ釣りに挑戦!
オモリで水底を感じながら、ゆっくりと仕掛けを引く

沖に向かって20~30m、仕掛けを投げます。
投げる前に、後ろに人がいないか、投げる先に船やサーファーの方がいないかの安全確認をしましょう。仕掛けを50cmほど垂らしたら、サオに仕掛けの重みを乗せ、サオをしっかりと曲げて投げましょう

横からのアングルはこちら。しっかりとサオに仕掛けの重みが乗ると、より遠くまで飛ばすことができます

着水したらイトを出したまま、仕掛けが底に付つくのを待ちます。仕掛けが底についたら、ベールアームを戻して、リールを巻いてイトを張りましょう。サオは寝かせてください。サオを寝かせた状態からゆっくり立てて、底の仕掛けをズルズルと手前に引きます。サオ先が頭の上まできたら、サオを寝かせていた高さに戻しながら、リールでイトのたるみを巻き取ります。この操作を繰り返して底を探ります。仕掛けを動かしてから、イトのたるみを巻くまでのあいだは、止めずにどんどん探ったほうがいいときもあれば、5秒前後止めて待ったほうがいいときもあります。どちらも試して、魚が反応する釣り方を探します。サオ先が高い位置にあるほうが根掛かりしにくいです。目線はイトが水面に入る部分を見るのが基本です

これがベールアーム。矢印の向きに倒せばイトが放出されます

「掛かってるかも!」。サオを立てて仕掛けを動かした後、5秒ほど待っていると、駒澤さんのサオがプルプルと震えます。今日の1尾目。駒澤さんが釣り上げたのは「ホウボウ」でした。大きくて色の綺麗な胸ビレが特徴の魚で、シロギス釣りのゲストとしてよく釣れる魚です。唐揚げで食べると美味しく、人気のある魚種です

河﨑さんのサオにもアタリ。何やら生命感が。「釣れた~~~!」という河﨑さんが釣りあげた魚は「ベラギンポ」でした。佐藤先生曰く、ベラギンポは中々お目にかかれない魚とのことで、レアな魚を釣ることができました。本命の魚だけでなく、いろいろな魚との出会いがあることもまた、ちょい投げ釣りの魅力です

◆ちょい投げで釣れる魚の例
シロギス、フグ、メゴチ、チャリコ(マダイの幼魚)、マハゼ、ホウボウ、ベラ(キュウセン)、カレイ、クロダイ、シーバスなど

海草などの漂着物が多く接岸して、仕掛けに引っかかってしまい釣りがしづらくなってきたため、近くの大六海岸へ移動してきました。移動してきた海岸にも漂着物が多いので、なるべく漂着物のない沖をねらって探ります

大六海岸に移動して早速、駒澤さんのサオにアタリがありました。釣りあがったのは小さいフグ。フグは歯が鋭く、仕掛けのハリスを嚙みちぎってしまう恐れがあります。フグを釣ったときは、ハリスが傷んでいないか指でさわって確認しましょう

仕掛けを動かしたあと、5秒ほど待って食わせの間を与えているときに、河﨑さんのサオにビビビというアタリが伝わってきました。ついに、河﨑さんが本命のシロギスをゲット!

駒澤さんにもシロギスがヒット。駒澤さんも、仕掛けを動かしてから5秒ほどじっくりと待ってからのアタリでした。仕掛けを動かしたら、じっくり待つ。これが今日の釣れる秘訣のようです

食べてもおいしいシロギス

この日釣ったシロギスを天ぷらで食べる駒澤さん。シロギスは天ぷらが定番です。サクサクして美味しい‼

◆シロギス天ぷらのレシピ
シロギスは天ぷらや刺身、昆布締めや焼霜造りがオススメです。今回はシロギス天ぷらのレシピを紹介します。

シロギスのウロコを包丁の刃で引き落とします

シロギスの頭を落とし、内臓を取り出し、腹の中の血ワタなどの汚れを水洗いして下処理をします

シロギスを背開きにします。天ぷらにする際には中骨を引き落としましょう。揚げれば気になりませんが、腹骨も処理すると、料理店の天ぷらに近づきます

天ぷら粉を水で溶いて、キスを絡ませ、中温の揚げ油で揚げたら完成です

この日は釣り場の近くの釣具店でエサを買い、シロギスが釣れている場所も教えてもらいました。釣りに行く場合は釣具店の情報がとっても頼りになりますよ!

◆北見釣具店
〒299-1901 千葉県安房郡鋸南町元名136
電話番号:0470-55-0374

河﨑莉奈(かわさき・りな)

1996年5月24日生まれ。岡山県出身
小学生のときにおじいちゃんと瀬戸内海の島に釣りに行ってました。「釣り堀めぐり」で都内と東京近郊の釣り堀に行って、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョを釣りました。ほかにもハゼを釣ったことがあります。

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴを釣ったことがあります。