ルアー釣りはじめます!

5分で読める釣り入門

No. 02

実践!スプーンでねらう管理釣場のマス
(マスの釣り堀)編

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
この連載のテーマは「ルアー釣り」!
今回はスプーンを使ってマスの管理釣り場(エリアトラウト)に挑戦!
スプーンで楽しむマス釣りとはどのようなものなのでしょうか。
高砂ひなたさん、駒澤清華さんのふたりが学びます。

左が高砂ひなたさん、中央が駒澤清華さん、右が今回の釣りを解説してくれる、つり人社編集部・Basser編集長の佐々木徹さん

「ルアー釣りに必要な道具の扱い方」は連動動画でチェック!
●「スプーンで挑むエリアトラウト」

マスの管理釣り場(エリアトラウト)ってどんなところ?

今回訪れたのは、マス類のルアー&フライ管理釣り場「開成水辺フォレストスプリングス」です。マス類の管理釣り場は「エリアトラウト」とも呼ばれ、トラウトとは英語でマス類(日本では主にニジマス)のことを意味します。
初心者でも気軽に楽しめるよう足場がよく、トイレや売店といった施設も充実しているのが管理釣り場のよいところです。レンタルタックルも揃っていて、手ぶらでも安心です。

南足柄市のスポーツ公園に隣接した、ルアー&フライ専用管理釣り場「開成水辺フォレストスプリングス」。緑に囲まれた広大な敷地内には3つのポンド(池)があります。

ポピュラーなニジマスだけでなく、様々なトラウトを放流しているのがこの釣り場の人気ポイント!

入場券は必ず購入して、上着など見えやすいところにつけます。

釣り場紹介
◆開成水辺フォレストスプリングス
住所 静岡県御殿場市東山1077
電話 0465-82-8181
交通 東名高速道路・大井松田ICからクルマで10分
営業時間 6~9月 7:00~18:00
10~5月 7:00~17:00
●料金

1日券:大人5,000円、小学生以下2,500円 ※持ち帰り尾数5尾まで
AM券:大人4,000円、小学生以下2,000円 ※持ち帰り尾数3尾まで
PM券:大人4,000円、小学生以下2,000円 ※持ち帰り尾数3尾まで
3時間券:大人3,000円、小学生以下1,500円 ※持ち帰り尾数1尾まで
親子券:6,000円 ※持ち帰り尾数2人合計10尾まで
カップル券:6,000円 ※持ち帰り尾数2人合計10尾まで
1日券回数券:25,000円 (1日券5枚つづり 購入毎に1枚無料サービス)
※レンタルタックルあり

施設:無料駐車場、売店
ターゲット:ニジマス、ブラウントラウト、ブルックトラウト、イワナなど

ホームページ:https://kaisei.forest-springs.com/

釣りの準備と使う道具

ルアーで楽しむマス釣りでは、どのような道具を使うのでしょうか。順番に解説していきます。

◆ルアー釣りに使う道具について

ルアータックルは初心者でも扱いやすいスピニングタックルを使います。

サオは長さ1.5~2m(5~6.5フィート)のマス用スピニングロッド。とても軟らかくよく曲がるので、2g以下の軽くて小さなルアーを投げやすく、グリップも短いので片手でも操作しやすいのが特徴です。

リールはスピニングリールを使用。リールのサイズは1000~2000番が目安です。イトをなるべく細くすると小さなアタリを察知しやすいので、ナイロンなら0.6~0.8号あたりがオススメ。

今回の主役ルアー「スプーン」。その昔、ヨーロッパで食事中に落としたスプーンにマスが食いついたのをきっかけに開発されたと言われています。本体は金属でできており、投げて止めておくと沈み、リールを巻いて引くとヒラヒラと泳いで魚を誘います。大きさや形、色に多くのバリエーションがあり、状況に合わせて使い分けます。

レンタルタックルならバランスの取れた組み合わせなので安心。キャッチ用のネットも借りられます。

持っておきたいのが偏光グラス。水面のギラギラとした乱反射を抑えるので目が疲れにくく、水中のようすがよく見えるので、釣りもしやすくなります。また、ルアーなどが間違って飛んでまたとまに目を保護する役割もあります。

釣り方の基本

キャスト(投げる)からリーリング(巻く)まで、スプーンを使った釣り方を学びます。順番に動作を追って見ていきましょう。

◆動作は動画でもチェック

①まずは釣りをする場所を決めます。サオを振ってもとなりの釣り人に当たらない充分な距離を保ちましょう。

②キャストをする前に、サオ先からルアーが10~20cm垂れ下がるようにします。これを「タラシ」と言います。

②サオを握る手の人差し指(第一関節)にイトを掛けます。
③リールのベールアームを開きます。

④背後に人がいないことや障害物がないことを確認し、サオを後ろに倒して構えます。
⑤ルアーの重みがサオ先に乗るようなイメージで前方へ素早くサオを振り、人差し指に掛けたイトを放してルアーを飛ばします。イトを指から外すタイミングは、何回も投げてコツをつかみましょう。

⑥キャスト後、ベールアームを閉じなければイトは出続けます。ルアーを底まで落としたら、ベールアームを閉じて巻き始めるのが基本です。ルアーを水面に近いところで引きたい時は、ルアーの着水と同時にベールアームを閉じて巻き始めます。

スプーンはただ巻くだけで魚を誘ってくれます。リールのハンドルを回すとイトが巻き取られ、スプーンが引かれてヒラヒラと泳ぎます。回転の目安は1秒に2回程度ですが、魚の反応に合わせて速くしたり、遅くしたりと調節してみましょう。

スプーンを引いてくる時は、サオの角度に注意しましょう。サオ先を上に向けるとルアーが上に引っ張られ、上方向(水面)へと浮いてきます。逆に下げるとルアーの浮き上がりが抑えられるので、一定の層でルアーを長く引くことができます。その日によって魚がヒットする層が異なる場合があるので、このテクニックは覚えておきましょう。また、スプーンが上がったり下がったりを繰り返す動きも誘いになることがあります。

ルアーが襲われてから魚を釣り上げるまで

魚が食いついてきたら、どんな反応があるのでしょうか。ヤリトリからキャッチまでの一連を見てみましょう。

魚がスプーンに食いつくと、イトからサオを伝って振動が手元に来ます。「コツン」や「ブルル」といったアタリを感じたら、リールハンドルを素早く回してイトを巻き取ってサオを立てハリを魚の口に掛けましょう。

しっかりと魚の口にハリを掛けること(フッキング)ができれば、サオが曲がって魚の引きが伝わります。イトが弛むとハリが外れてしまうので、サオを立ててイトのテンションを保ちましょう。魚の引きがグイグイとサオに伝わってきて楽しいですよ♪

強引なヤリトリは禁物。ゆっくりとイトを巻き取りながら魚を足元まで寄せます。

サオを立てるとうまく手前に寄ってくるので、魚の動きを確認しながら魚の頭側からネットに入れます。

リリースする場合、魚は弱らないようネットから出さず、水に浸けた状態が鉄則。フックを外す際は『フックリリーサー』があると素早く簡単に外せます。

リリースはネットからゆっくりと水中へ放してあげます。弱っている場合は濡れた手で少し支えて、呼吸を補助してあげるとよいでしょう。

スプーンでマス釣りにチャレンジ!

いよいよスプーンを使った釣りに挑戦です。果たして魚をキャッチすることはできるでしょうか?

手にはタックルとネットを持って準備万端の高砂さん。強い日差しやルアーから頭を守るため、帽子は被るようにしましょう。

何度かルアー釣りを経験している駒澤さんは、キャストも板についてきたようす。この日の魚の活性はどうでしょうか?

しかし、初めに訪れた大きなポンドはかなりシブいようす。管理釣り場とはいえ、ポイントによっては釣りにくい状況もあり得ます。こんな時は思い切って場所を変えてみましょう。

次に訪れたのは、裏手にある少し小さなポンド。魚の気配はありますが、どうでしょうか。

釣り場のスタッフに情報を聞いてみると、最近はエサのペレット(粒状のエサ)に似せたスプーンに反応がよいとのこと。さっそく試してみようということで、軽めのペレット色スプーンにルアーをチェンジ! なかなか釣果に結びつかないときは、釣れているルアーの特徴やポイントなどを聞いてみるのが釣果への近道です。

底付近ではなく、水面付近でゆっくりと誘うと魚の反応がよいようす。少しロッドを立て気味にしつつ、ゆっくりと巻いて誘いをかけてみます。すると……

駒澤さんに待望の1尾目がヒット。かなり強い引きから良型を確信です。なんとか岸に寄せてくると、水面に浮いてきたのはな40cm近いかなかのサイズ!

ネットに入れる時が一番ドキドキする瞬間。水面で暴れても焦らず、落ちついてゆっくりと魚を寄せましょう。

見事キャッチしたのは40㎝に迫るニジマスでした。

いろいろと試行錯誤しつつ、自分でルアーを操作して釣った魚の喜びはひとしおです。

コツをつかんだのか、ここから駒澤さんは連続ヒット。パターンが読めたときのうれしさも釣りの醍醐味です。

なかなかアタリを捉えられずにいた高砂さんですが、ゆっくりと水面付近を巻いてくる感覚をつかみ始めたところでヒット! こちらもコンディションのよいニジマスでナイスフィッシュです。

序盤はちょっと苦戦しましたが、スプーンで見事ニジマスをキャッチしたお二人。どうやったら釣れるのか、考えながらルアーを選んだり、操作したりして答えを導き出す楽しさを感じられたのではないでしょうか。管理釣り場はいろいろ設備が整っているので、ルアー釣りデビューにはもってこいです。ぜひスプーンのニジマス釣りに挑戦してみてください!

次回も新たなフィールドに繰り出してルアーで魚をねらっていきます。こうご期待!

◆関連記事はこちら!
●「釣りはじめていいですか? その9 エリアトラウト」

ルアーを使うと他にもこんな魚が釣れちゃいます!
●「釣り堀めぐり ルアーでバス釣りに挑戦」

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

1998年8月24日生まれ。大阪府出身
中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。前回の釣りはじめていいですか?ではブラックバスを釣りました。