ルアー釣りはじめます!

5分で読める釣り入門

No. 03

投げなくてOK!? 足もとで釣れる!?
ワームでねらうブラックバス釣り編

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
この連載のテーマは「ルアー釣り」!
今回は、ワームのノーシンカーリグ(魚を釣るための仕掛けのこと)を使ったバス釣りに挑戦。
今回、ねらうのは足もとオンリー。
ええ、投げないんですか!?
高砂ひなたさん、駒澤清華さんのふたりが、バスの釣り方を学びます。

左が高砂ひなたさん、中央が駒澤清華さん、右が今回の釣りを解説してくれる、つり人社編集部・Basser編集長の佐々木徹さん。

釣りの動作の詳細は連動動画でチェック!
●「ノーシンカーリグで楽しむバスフィッシング」

バスってどんな魚?

ブラックバスは北米原産の肉食魚で、好奇心が旺盛な魚。小魚やエビ、カエルなど、さまざまなものをエサとして食べていて、大きいもので70cm近くまで成長します。エサでも釣ることができるブラックバスですが、疑似餌に強い反応を示すことから、ルアーフィッシングのターゲットとして人気があります。
外来生物法では国の許可を得た場合以外は生体の移動や飼育が禁止されていますが、釣りやキャッチ&リリースは可能です。ただし、地域によっては条例などでキャッチ&リリースが禁止されている場合もあるので事前に確認しておきましょう。
今回訪れたのは、ブラックバスの管理釣り場「第二富士見池」。初心者でも気軽に楽しめるよう足場がよく、トイレや売店といった施設も充実しているのが管理釣り場のよいところです。

釣り場紹介
◆第二富士見池
住所 茨城県潮来市釜谷731
電話 0299-67-5276(※問い合わせ先:潮来マリーナ)
交通 東関東自動車道・潮来ICから車で約20分
営業時間 7:00~17:00 (お食事処は11:00~14:00)
定休日 火曜日、第三月曜日※但し月曜が祝日の場合は営業
●料金

1日:4000円/半日:3000円


施設:無料駐車場、お食事処、ブラックバスの他にヘラブナの釣り堀もあります
ターゲット:ブラックバス

ホームページ:http://itakomarina.blog136.fc2.com/

茨城県・北浦の側にある第二富士見池。ブラックバス専門の管理釣り場です。岸際にアシやガマが生えており、自然に限りなく近い環境で釣りができる管理釣り場です。

◆ルアーについてはこちらをチェック!
●「ルアー釣りはじめます! No.1 はじめてのルアー釣り ―ルアーってなんだろう―」

釣りの準備と使う道具

ワームで楽しむバス釣りでは、どのような道具を使うのでしょうか。順番に解説していきます。

今回の主役ルアーはオモリを使わない「ワームのノーシンカーリグ」。ワームはソフトルアーとも呼ばれ、プラスチック素材で作られた軟らかいルアーです。触るとゴムのような手触りでプニプニします。「ノー(ない)/シンカー(オモリ)/リグ(仕掛け)」という名の通り、ノーシンカーリグはオモリを使わない仕掛けのこと。ハリ+ワームというシンプルな仕掛けなので、ビギナーの方でも簡単に仕掛けを作れます。

ワームのノーシンカーリグの強みは「動きのナチュラルさ」です。ハリの重さとワーム本体の自重しかないため、水の中をふわふわと落ちていきます。警戒心の高いバスも思わず「パクリ」と食べてしまいます。ノーシンカーリグでよく使われるワームをいくつか紹介します。

こちらは「ストレートタイプ」。何の変哲もない、一本筆で描いたような形ですが、よく釣れます。ノーシンカーで使うワームの基本の形です。

こちらは、小魚のようなボディーに細いテールが付いた「ピンテールタイプ」。テールがピリピリと微かに動いて誘います。

こちらは、魚っぽいテールが付いたタイプ。やはりピリピリと微振動します。

こちらは「シャッドテールタイプ」。突起のようなテールがボディーに付いていて、テールが水を受けてボディー全体を動かします。

ノーシンカーリグで主に使うフックは、「オフセットフック」(写真左)と「マスバリ」(写真中央、写真右)です。

オフセットフックはハリ先をワームのボディーに隠すことができるので、障害物に引っかかったりすることが少ないのが特徴。フックむき出しでは引っかかってしまうような場所でも、臆せず使うことができます。

オフセットフックの刺し方を紹介します。まずフックを刺す位置を確認しましょう。

頭の真ん中からハリ先を刺し、図の状態のように貫通させます。

フックがクランクしている部分(直角近く曲がっているところ)までワームを通してから、ハリ先を入れる位置を再度確認しましょう。

ボディーの中心部から真上にハリ先を貫通させて、図の状態にセットします。

最後はハリ先をボディーに隠して完成です。

マスバリはワームにチョン掛けしてハリ先を出して使うことが多いです。ワームの頭に刺すこともできますが、ボディーの真ん中にチョン掛けすることにより、フックを支点にして左右のボディーをくねくねと動かして誘うことができます。

管理釣り場は、バーブレスフック(カエシの付いていないハリ)の使用がルールに決められている場所が多いです。フックにカエシが付いている場合は、ペンチでカエシを潰して使いましょう。

どんなサオでも使えるノーシンカーリグですが、ウルトラライト~ライトパワー(※サオの強さや硬さのこと。ルアー用のサオは、軽い負荷で曲がる軟らかいものから、硬くなるにつれて、ウルトラライト、ライト、ミディアムライト、ミディアム、ミディアムヘビー、ヘビー、エクストラヘビーといったように、サオの硬さが7段階に分けて表記されます。)のバス用スピニングロッドがおすすめ。柔らかくよく曲がるので重量の軽いワームを使いやすいです。取り回しの良さも考えて1.8~2mくらいが使いやすいでしょう。
今回はリールはスピニングリールを使用。リールのサイズは2000~2500番が目安です。ラインはフロロカーボン素材の4~5ポンドを巻くとよいでしょう。今日は水生植物が多い場所を釣るので強めの「PE1号」を巻きました。

釣り方の基本

ねらう場所から取り込みまで、釣りの動作を順番に追って見ていきましょう。

ブラックバスは10cmも水深があれば入ってくる魚です。足もとに注目!岸際やアシ、流れ込みなどの変化があるところにバスは隠れてエサを待っています。沖に投げたい気持ちをぐっとこらえて、まずは足もとから探っていきましょう。

バスがいそうな場所にワームを落としていくだけ。釣り方はとってもシンプル!イトをサオの長さくらいまで出したら、バスのいそうなところにワームを落とします。

ルアーを着水させたらサオ先を下げて糸フケ(糸がピンと張らずにたるんだ状態のこと)を作ります。そうすることによって、着水したルアーが、イトに引っ張られることなく自然にふわふわと水底へ落ちていきます。

ルアーが落ちているあいだは水に入っていくイトに注目。落ちているルアーを魚が食べると、イトが急に走るので些細な変化を見逃さないようにしましょう。ルアーが底に着くとイトが引き込まれるのが止まって、水面に入っている糸がふけます。これが着底の合図です。着底させたらサオ先をそっと上げてイトを張り、魚のアタリがないか確認します。基本の動作はこれの繰り返し。アタリが合ったらサオを上げてフッキング(魚の口にフックを掛けること)。

しっかりとフッキングができれば、サオが曲がって魚の引きが伝わります。イトが弛むとハリが外れてしまうので、サオを立ててイトのテンションを保ちましょう。

取り込みは水面に障害物のない場所で行うのが安全です。サオを曲げてイトのテンションを保ちながら、開けていて足場のよいところに移動します。

取り込みやすい場所まで移動したら、魚を岸際に寄せます。サオを立てるとうまく手前に寄ってきます。ブラックバスの下あごを、親指と人差し指でつかんで取り込みます。
手でつかむのに自信がなければネット(アミ)ですくいましょう。

フックはプライヤーを使って外します。フックが刺さっている方向とは反対方向にフックを引っ張ると取りやすいです。なるべく魚を水につけながら外してあげると、魚へのダメージを減らすことができます。

ワームのノーシンカーリグでバス釣りにチャレンジ!

いよいよワームのノーシンカーリグを使った釣りに挑戦です。はたして魚をキャッチすることはできるでしょうか?

釣りをするときは安全面や暑さ対策のために帽子を被りましょう。また、ライフジャケットの着用も忘れずに。

「今日の目標は2尾!」と気合たっぷりの駒澤さん。開始早々に反応がありました。「落ちているワームに食いつきました!魚の顔が見えた!」

「いつも駒澤さんが先に釣っているので、今日こそは先に釣りたいです!」と高砂さん。

「ほんとに足もとにいるのかな」と半信半疑な高砂さんに「なるべくごちゃごちゃしているところを探して」と佐々木さんがアドバイス。「アシ+桟橋」のようにいろんな要素が組み合わさっている場所にブラックバスは集まります。

高砂さんにヒット!「佐々木さんの言う通り、ほんとに足もとで釣れました~!」

コツをつかんだ高砂さんに連続ヒット!2尾目は自分で取り込みます。「ルアーをアシ際に落としたら、イトが横に走りました!」

駒澤さんにも遂にヒットです。40cmクラスの、きれいな魚でした。

駒澤さんもコツをつかんで、連続ヒット!「落とした後に、ゆっくりとルアーを持ち上げたらグンというアタリがありました!」

「岸近くに落とすだけで釣れるなんて、思ってもいませんでした」と2人。次回も新たなフィールドに繰り出してルアーで魚をねらっていきます。こうご期待!

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●「釣り堀めぐり ルアーでバス釣りに挑戦」

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、ブラックバス、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

1998年8月24日生まれ。大阪府出身
中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。前回のルアー釣りはじめます!ではニジマスを釣りました。