ルアー釣りはじめます!

5分で読める釣り入門

No. 1

はじめてのルアー釣り
ールアーってなんだろう?ー

この連載のテーマは「ルアー(疑似餌)釣り」!
ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
ルアーで魚を釣るにはどうしたらいいのか、テーマごとに学んでいきましょう。
まずはルアーそのものについて
高砂ひなたさん、駒澤清華さんのふたりが学びます。

左が高砂ひなたさん、中央が駒澤清華さん、右が今回ルアー釣りを解説してくれる、つり人社編集部・Basser編集長の佐々木徹さん

「ルアー釣りに必要な道具の扱い方」は連動動画でチェック!
前編:ルアーってなんだろう?
https://youtu.be/m1omWU4ePiQ

後編:ルアー釣りのリール・ロッド・道具について
https://youtu.be/ZdWjXejzm44

ルアーって何?

この連載のテーマは「ルアー釣り」。そもそも、「ルアー」とは何でしょうか? ルアーは日本語では「疑似餌」と呼ばれます。肉食魚のエサになる小魚や甲殻類(エビ)などに見た目を似せてプラスチックや木、金属などで作った疑似餌です。釣り人が操って動かすことで魚を騙すのです。
ルアー釣りの起源は1800年代の中盤にあるとされています。ある親子が湖で船に乗り釣りをしていたとき、食事中に間違えて水中に落としてしまったスプーンに魚が食いついたそうです。きっと魚からはゆらゆら落ちるスプーンの煌めきが本物の小魚に見えたのでしょう。これをきっかけにルアーが誕生したといわれています。
今ではさまざまなタイプのルアーが生まれ、淡水から海まで、さまざまな肉食魚をルアーでねらうことができるようになりました。この記事では、ルアーの代表的なパーツや種類を紹介します。

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●ルアーの種類
ルアーにはたくさんの種類があります。それぞれ得意とする水深があり、異なる質の泳ぎで魚を誘います。

●ルアーの素材
ルアーはプラスチックや木、金属などの素材でできています。シーバス、アジ、メバル、クロダイ、イカ、マダイなどの海の魚から、ブラックバス、ナマズ、ライギョ、マスなどの淡水の魚まで幅広い魚をルアーでねらうことができます。

●ルアーの大きさ
釣りたい魚や、魚が食べているエサのサイズと種類に合わせて、ルアーにはさまざまな大きさや種類があります。小さいもので2cm、大きいものは20cmを超えます。

●ルアー釣りの魅力
ルアー釣りの魅力のひとつは、釣り人自身がルアーを動かして魚を誘うことです。対象魚や釣り場の状況に応じてルアーを選んで動かします。エサではない疑似餌に魚が反応するのはとてもエキサイティング。ルアーには魚を釣るための機能がたくさん備わっています。

パーツごとの役割を知る

ではルアーにはどんなパーツが付いているのかを見ていきましょう。

●アイ
ルアーには「アイ」と呼ばれるワイヤーでできた輪が付いています。ここにスプリットリング(写真左端の丸い輪っか)が付いていて、イトを結ぶ仕組みになっています。

●フックの接続
また、フック(ハリ)はスプリットリング(丸い輪っか)を介してボディーに付けられています。フックには3本バリ(トリプルフック)が付いていることが多いです。トリプルフックを使うことによってハリ掛かりがよくなります。

ルアーの種類を知ろう

では、ルアーにはどんな種類があるのか見ていきましょう。代表的なものを紹介します。

●スプーン
ルアーの起源である「スプーン」は現代でも代表的なルアーとして使われています。とくにマス釣りによく使われます。投げてリールを巻くとヒラヒラと動いて小魚に化けます。

●ミノー
「ミノー」と呼ばれる小魚のような形をした細長いルアーです。透明なベロ(「リップ」と呼ばれます)が付いています。リールハンドルを巻いたときにリップが水の抵抗を受けて、ルアーが潜ります。また、この水の抵抗によりルアーがおしりを振るような動きを見せ、肉食魚からは本物の小魚のように見えます。一般的には長いリップを持つルアーのほうがより深く潜ることができます。

主な対象魚:ブラックバス、マス、シーバス、ヒラメ、青物など

●トップウォーター
潜らないで水に浮く「トップウォーター」と呼ばれるジャンルのルアーもあります。コチラは「ペンシルベイト」と呼ばれる棒状のルアーです。サオ先でチョンチョンとアクションを加えると、水面を滑るように左右に首を振ります。トップウォーターの釣りは水面に出る魚のバイト(魚がルアーを食べること)を直接見ることができるので、とてもエキサイティングな釣りです。
主な対象魚:ブラックバス、シーバスなど

●ペンシルベイト
ペンシルベイトには沈む「シンキングペンシル」というタイプもあります。シンキングペンシルはリールを巻くと左右に微かに揺れながらナチュラルに肉食魚にアピールします。主に海のルアー釣りで使われることが多いです。

主な対象魚:シーバス、ヒラメ、青物、メバル、クロダイなど

●ポッパー
こちらは「ポッパー」です。これも水に浮くトップウォータールアーです。口についたカップが水を掴み〝ポコン〟という音を立て肉食魚を誘います。

主な対象魚:ブラックバス、シーバス、クロダイ、キビレなど

●ノイジー
こちらもトップウォータールアーです。動かすとポコポコと音を立てたり、ガシャガシャと音を立てながら動くので「ノイジー系」と呼ばれています。このルアーは頭部にカップが、尻尾にプロペラが付いています。リールを巻くとカップが水を受けてポコポコと音を立てながらボディーが動きます。尻尾のプロペラが回って水をかき回して魚を誘います。

主な対象魚:ブラックバス、ナマズ、ライギョなど

こちらも「ノイジー系」のルアーです。リップが付いているので潜らせて使うこともできますが、水面で潜らせずに使うと、尻尾の金属板がボディーに当たり〝カチョンカチョン〟と音を立ながら魚を誘います。

●ビッグベイト
こちらは「ビッグベイト」と呼ばれるルアーです。特徴はルアーのサイズが大きいこと。大きさを活かして肉食魚にアピールします。通常のサイズのルアーに反応しなかった魚が反応を示すことがあります。ルアーのサイズが大きいので、大きい魚に絞ってねらうことができます。

主な対象魚:ブラックバス、ナマズ、シーバスなど

●バズベイト
こちらは「バズベイト」というルアーです。ワイヤーがUの字に折り返しているところにイトを結びます。プロペラと、フックやラバースカートが付いているヘッドがワイヤーで繋がれています。水面を引くとプロペラが水をかき回して、振動がワイヤーからヘッドに伝わります。プロペラによる水の飛沫や金属パーツが擦れる音、たなびくスカートで魚を誘います。フックは上向きの1本バリ(シングルフック)仕様のものが多く、トリプルフックを使っているルアーより障害物などに引っ掛かりにくいです。

主な対象魚:ブラックバス、ナマズ、ライギョなど

●スピナーベイト
こちらは「スピナーベイト」というルアーです。ワイヤーが折り返している箇所にラインを結びます。リールを巻くとブレードが水中で回転して、光が反射して魚にアピールします。ブレードの回転による振動がワイヤーを通してヘッドに伝わり、スカートが水中でたなびいて魚を誘います。バズベイト同様、上向きのシングルフックを使っているものが多く、ワイヤーがガードの役割をしてくれるので根掛かりしづらいルアーです。

主な対象魚:ブラックバス、シーバス、ナマズ、ライギョなど

●プロップベイト
前後にプロペラが付いている「プロップベイト」と呼ばれるルアーです。プロペラが水流を生みます。発生した水流によってルアーのシルエットがぼやけるので、ルアーを見切ってしまうような警戒心の強い魚から反応を得られることもあります。

対象魚:ブラックバス、トラウト、シーバスなど

●クランクベイト
「クランクベイト」と呼ばれるルアーです。リールを巻くと、リップが水を受けて水中に潜ります。ミノーと同様に、一般的にはリップが長いほうが深く潜ります。太いボディーのものはブリブリと強めに動き、ボディーが平らなものはパタパタとローリングしながら動きます。リップにはルアーを潜らせる役割と、石や木などの障害物に当たったときにリップが先に当たることでボディーがひるがえり、障害物をかわしやすくなる役割も持っています。

主な対象魚:ブラックバス、根魚(ハタ、カサゴ、メバル)など

●バイブレーション
これは「バイブレーション」と呼ばれるルアーです。背中にイトを結ぶアイが付いています。頭の上の平らな部分で水を受けてプルプルプルと振動します。

主な対象魚:ブラックバス、シーバス、ヒラメ、クロダイなど

●メタルジグ
鉄素材でできた「メタルジグ」と呼ばれるルアーです。メタル=金属でできているので比重が重く、落ちるスピードが速いのが特徴です。深場に落としたいときや速い動きで誘いたいときに使いやすいです。

主な対象魚:シーバス、ヒラメ、青物、ブラックバスなど

●餌木(エギ)
アオリイカを釣るときに使われる「エギ」です。アオリイカは触手で抱くようにエギを食ってきます。ハリを掛けるために引っ張るとボディーがずれてハリが刺さるようにカンナと呼ばれるイカ用のハリが使われています。お腹の下にはオモリが付いていて、ねらいたい水深によって使い分けます。

主な対象魚:アオリイカ

●タイラバ
マダイを釣るときに使う「タイラバ」です。ヘッドと呼ばれるオモリ部分にラバースカートやネクタイ形状のパーツ(ネクタイと呼ばれます)、専用のフックがついています。タイラバ用スカートの役割は、マダイにタイラバの存在をアピールする役割とフックとネクタイが絡み合わないようにすることです。ネクタイの役割はタイラバを巻き上げる際に震えてマダイを引き寄せ、食わせるものです。形状は、真っすぐな形状をしたものと、カーリングした形状のものがあります。

主な対象魚:マダイ

●ワーム
柔らかいプラスチック素材でできた「ワーム」と呼ばれるルアーです。ソフトルアーともいいます。オモリやフックを付けて使います。ソフトルアーにも色々な形や大きさがあります。

●ピンテール
こちらはストレート形状の尻尾が付いた「ピンテール」と呼ばれるワームです。水流を受けてわずかに動きます。動きすぎないので、ナチュラルに魚を誘うことができます。

主な対象魚:クロダイ、シーバス、ブラックバスなど

●クロー
ザリガニのような形をした「クロー系」と呼ばれているワームです。曲がった尻尾が水を受けて魚に強くアピールします。濁っているときや障害物の中に魚が潜んでいるとき、魚の活性が高いときなど、魚に気付いてもらいたいときに活躍します。

主な対象魚:クロダイ、シーバス、カサゴ、ブラックバスなど

●シャッドテール
「シャッドテール」と呼ばれるワームです。突起のようなテールがボディーに付いていて、テールが水を受けてボディー全体を動かします。

主な対象魚:シーバス、ヒラメ、マゴチ、ブラックバスなど

そのほかに必要な道具は?

 ここまでルアーのパーツごとの特徴を見てきました。このあとは、動画のメインテーマである「ルアー釣りに必要な道具の扱い方」について記事でも簡単に触れておきます。

ルアーにはフック(ハリ)が付いています。人の肌に簡単に刺さってしまうので、無造作に置かない、手で握らない、投げるときには周りの安全を確認するなど充分に注意しましょう。

フックを外すときには必ずプライヤー(ペンチ)を使って外しましょう。また、イトを切るときにはハサミを使いましょう。

リールはイト(ライン)を巻き取るための道具です。スピニングリールとベイトリールの2種類があります。釣りたい魚や使うルアーによって選ぶとよいでしょう。

■サオとリールの種類についてはコチラをどうぞご覧ください
釣りあそびジャーナル
釣りはじめていいですか? その2 釣りザオってどんな種類があるの?リールを使うと何ができるの?

●スピニングリール
コチラはスピニングリール。ハンドルを回転させることによってスプール(ラインを巻いているところ)が上下しながらイトを巻き取ります。ベールという部品を起こすことによってイトを放出します。トラブルが少なく、初心者の方でも扱いやすいのが特徴です。

●ベイトリール
コチラはベイトリール。スプールを回転させることによってラインを放出します。ラインが出ていく速さよりスプールが回転する速さが上回ってしまうとラインが出過ぎてスプールで糸がぐしゃぐしゃっと絡まる「バックラッシュ」というトラブルが起きます。扱いに慣れれば、ねらったところに投げやすい特徴があります。

ロッドは、ルアーを飛ばしたりルアーを動かしたり、魚をかけてやり取りするための道具です。ルアーフィッシング用のロッドは1.5〜3mくらいの長さが多いです。持ち運びしやすいように2本継ぎになっているものや、振り出して使えるコンパクトロッドなどがあります。交通手段に合わせて選ぶとよいでしょう。

適切なサオのしなり具合やパワーは、ねらいたい魚や使うルアーによって変わります。釣具屋さんに相談して決めるとよいでしょう。

イトの素材は、ナイロン、フロロカーボン、P Eの3種類があります。ナイロンは伸びがあって扱いやすく、フロロカーボンは擦れに強いです。P Eは同じ強さのナイロンやフロロカーボンより細いイトを使うことができます。細いイトを使うとて抵抗を減らすことができるので、軽いルアーでも遠くに飛ばしやすいメリットがあります。

■ハリとイト(ライン)についてはコチラをご覧ください
釣りあそびジャーナル
釣りはじめていいですか? その4 ハリにはどんな種類があるの?釣りイトのいろいろ

釣りをするときは、ライフジャケット(救命胴衣)は必ず着用してください。肩からかけるタイプや腰に巻くタイプなどがありますがお好みで選んでください。いずれのタイプも「国土交通省型式承認品」(桜マーク入りのもの)を選ぶようにしましょう。安全に気をつけて、釣りを楽しみましょう。

次回からは実際に水辺に繰り出してルアーで魚をねらっていきます。乞うご期待!

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

1998年8月24日生まれ。大阪府出身
中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。前回の釣りはじめていいですか?ではブラックバスを釣りました。