初めての船釣り 乗り合い船でカサゴ釣り

釣りはじめていいですか?

5分で読める釣り入門(初心者向け)

その 12

初めての船釣り 乗り合い船でカサゴ釣り
(千葉県浦安市出船・東京湾)

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
釣りってどうやってはじめるのか、テーマごとに学んでいきましょう。
生徒は「釣り堀めぐり」をしている河﨑莉奈さんと、駒澤清華さんです。


左:河﨑莉奈(かわさき・りな)さん、中:駒澤清華(こまざわ・きよか)さん。釣りを教えてくれるのは月刊つり人の八木健介さん(右)

▪ 連動動画でもチェック!
https://youtu.be/s5k8s5T3fOU

釣りたい魚はカサゴ。北海道南部以南の日本沿岸、水深数十cmの浅場から、200m前後までの岩礁域まで広く生息しています。日中は海底の岩の隙間やテトラの間などに潜んでいることが多く、船釣りでは2~3本バリの胴付き仕掛けでねらいます。エサによく反応するので比較的釣りやすく、刺身、煮付け、空揚げなどで美味しく食べられます

今回は千葉県の「浦安 吉野屋」に来ました。一年を通じて東京湾の旬の船釣りを案内していて、季節によりアジ、タチウオ、シロギス、マダコ、カサゴ、カワハギなどの釣りを案内しています。釣り具、ライフジャケット、長靴などのレンタルもそろっているので、手ぶらでも楽しむことができます
◎浦安 吉野屋
住所:千葉県浦安市猫実5-7-10
電話番号:047-351-2544
公式サイト:https://www.funayado-yoshinoya.com/
営業期間:通年
定休日:火曜日
料金:種類による。今回利用したカサゴ・メバル釣りやアジ釣りの乗り合い船はエサ付きで1名9800円
交通:東西線浦安駅から徒歩5分。車は湾岸道路・浦安ICから15分(無料駐車場あり)

服は動きやすい普段着を基本に「レインウエア」や「帽子」を用意。船では釣りをしている最中に足もとに海水を流すので、長靴も履いたほうがよいでしょう。風を受けると思っている以上に冷えるので、レインウエアは雨の心配がない日でも用意します

乗船まで:予約をしたら受付へ

今回のテーマは初めての乗り合い船の釣り。海の船釣りですが、一般に「沖釣り」とも呼ばれます。今回は「カサゴ・メバル」船にチャレンジしましたが、楽しむための手順はアジやシロギスなど他の釣りを申し込んだ時も同じです

「乗り合い船(乗合船)」は、複数のお客さんが同じ船に乗り合わせて1つの釣りを楽しむシステム。まずはお店(船宿といいます)のホームページで実施中の釣りを確認し、出かけることを決めたら電話で予約します(前日まで可能)。当日は出船時間の1時間前には船宿に着くようにします

船宿に着いたらまずは受付へ。予約した釣りを伝えて「料金の支払い」「レンタルタックルの借り受け」「乗船名簿の記入」を行ないます。初心者はスタッフがていねいに案内してくれるので、まずは元気に挨拶しましょう

乗船名簿は万一の際の緊急連絡先も兼ねているので忘れずに記入・提出します

受付では仕掛けやオモリも購入できます。1セット分は釣り料金に含まれていることも多いので、必要に応じて購入します

ライフジャケットは法律で着用が義務付けられており必ず必要です。船宿でレンタルできるので手持ちがなければお願いしましょう。今回は長靴もサイズを選んで無料で借りられました

サオやリールなどのタックルは有料の場合と無料の場合があります。利用する際は予約時に確認しておきましょう

忘れてはいけないのがクーラーと氷。特に夏は釣った魚が船の上で傷まないように必ず必要です。また軽食や飲料水を冷やしておくのにも使います。カサゴやアジなどの釣りならおすすめは20~30ℓクラス。今回の吉野屋のように、釣り中は船宿のクーラーを借り、帰港後に持ち帰り用の簡易クーラー(発泡材製)を購入できるところもあります。氷は料金に含まれている場合と1個100円程度で別売の場合がありますので確認しましょう

準備ができたら船へ。どこに座るか(釣り座といいます)は、当日の朝に先着順で決まるのが一般的ですが、分からない時はスタッフに聞きます。吉野屋では表に座席札があり、到着した人から好きな釣り座の札を取って、受付時に申告するシステムでした

船酔い対策はこちら!!

カサゴ釣り(胴付き仕掛けでのエサ釣り)の基本

この日のメニューはカサゴ釣り。2本のハリの下にオモリを付ける「胴付き仕掛け」での釣りです。ハリにはエサとなる魚の切り身(身エサ)を付け、オモリが海底に付く状態でトントンと静かに小突いていると、動くエサに誘われたカサゴが食い付いてきます。

出船前に船長やスタッフが基本的な釣り方を教えてくれます。この日は担当の青山隆雄船長がリールの基本的な使い方、エサの付け方、仕掛けの動かし方を教えてくれました

レンタルタックルとカサゴ用の仕掛け。船に乗ったらレンタルタックルに付いているライン(その先端にあるスナップ)にまず仕掛けを取り付け、仕掛けの一番下にオモリをセットします。この作業は船が止まっている出船前に済ませておくのがおすすめです

多くの船釣りで使用される小型両軸受けリール(ベイトリール)。リール横のレバー(クラッチ)を動かすことで、リールからイトが出る状態と止まる状態を切り替えます。また、ハンドルを巻くと自動的にクラッチが繋がります

エサは魚の切り身(身エサと呼ぶ)(左)かアオイソメ(右)。必要な分を船の上で配ってくれますが、この日は主に身エサを使いました

こちらは集魚力アップの効果があるアミノ酸を加えた身エサ。釣具店で購入でき、こうした自分だけのエサを試すのもありです。必要分をハサミでカットして使います

身エサは端の真ん中に皮側からハリを刺してセット。こうすることで海中でフワフワと揺れて動きます。アオイソメを使う場合は硬い口の部分にハリを刺します

このように付けられれば準備完了

仕掛け

仕掛けは動かしすぎないのがコツ。
明確なアタリは誰でも分かりやすい。

レクチャーを終えたらいよいよ出船。吉野屋の船着き場がある旧江戸川を下って東京湾へ出ます。期待に胸が膨らむ出船はそれ自体がアトラクション

東京ディズニーリゾートの横を抜ければいよいよ東京湾。この日の釣り場となるのは東京アクアラインの周辺。船はここから30分ほど走りました

釣り場付近に到着。日常を離れた開放的な景色が広がります

本番開始前にもう一度基本をおさらい。ハリにエサを付け、仕掛けを投入したら、まずやるのは「底ダチ(底立ち)を取る」作業です。これは「オモリが底についたことを把握する」こと。どんな船釣りにも共通する基本的な操作なので必ず覚えます。底ダチを取ったあとは、船の揺れで仕掛けが上下する程度の状態を保ちます

仕掛けを落としていき、オモリが「トン」と着底すると、それまでラインに掛かっていたテンションが抜けます。すると、このように瞬間的にサオ先がまっすぐになり、周辺のイトがフワッっとたるみます。まずはこの「着底のサイン」を覚えます。仮によく分からなくなってしまったら、オモリの重さを感じるまで一度リールを巻き、完全にオモリを浮かせてから、もう一度落とし直してみます。この時、サオは上に向けたり下に向けたりせず、水平の状態を基本にします

オモリの着底が分かったら、素早くリールを1~2回転巻いてクラッチをつなぎます(巻きすぎはオモリが高く浮き上がってしまうのでNGです)。これでリールからイトが勝手に出なくなると同時に、オモリは底ギリギリ、なおかつ余分なラインのたるみがなく、海中の仕掛けがまっすぐに立った状態になります。最初にこのような状態にすることを「底ダチを取る」といいます

底ダチが取れると、船が波で浮き上がった時は少しサオが曲がり(前の写真の状態。オモリが少し浮き上がるので重さが掛かる)、船が波で下がった時にはオモリがトンと底に付きつつ、ラインはまっすぐという状態になります(この写真)。カサゴ釣りではこの状態をなるべく長くキープして、「オモリの上のハリに付いたエサが、底近くでフワフワと漂う」状態を保ちます

底ダチの感覚がなんとなく掴めた駒澤さん、開始早々に見事初めてのカサゴをキャッチ! 

「うらやましい~」と言っていた河﨑さんもすぐに続きます。1尾目は「気付いたら釣れてました(笑)」と言いつつ、しだいに「あ、今のはアタリが分かった!」とコツが掴めてきたようす。なお、底ダチが取れたあとは「仕掛けはあまり動かしすぎない」というのが船長のアドバイスでした

カサゴを持つ時は親指をしっかり口の中に入れて下アゴを握るようにします。
カサゴは釣ったあとは大人しく、危険はほとんどありませんが、背ビレやエラの上部が鋭く尖っているのでこのような持ち方をします。

この日は絶好の船釣り入門日和。海も穏やかで連続ヒットに思わず歓声が上がりましたが、1つ覚えておきたいのが、最後にリールを巻きすぎないこと。魚をキャッチしようとした時に「バンザイ」になってしまうのはリールの巻きすぎです。サオの中にスナップを思い切り巻き込んでしまうと、サオを折る原因にもなります。多くの場合、オモリや魚が海面の下ギリギリくらいにある状態でリールを巻くのを一度やめ、そこからサオを持ちあげるようにするとちょうどいい具合になります

駒澤さんにはメバルもヒット。メバルはカサゴに比べて少し上の層にいることが多い魚です

一見すると問題なさそうでしたが、「腕が疲れてきました~」としばらくしたところでサオを両手で持ちはじめた河﨑さん。原因はサオの持ち方に慣れていないことでした

サオはグリップエンドをしっかり脇に挟みます。そして重たいリールを下から支えるような感覚で構えると手や体が楽なので覚えておきましょう。手首が疲れるのは持ち方が上手くいっていないサインです

この日はレンタルタックルでしたが、「ハサミ」「手拭きタオル」「フィッシュグリップ(上)」「プライヤー(下)」などはどんな船釣りでも持参したいアイテムです。プライヤーはハリが口の奥に掛かった時に外すのに使います

駒澤さんにダブルヒット! 途中でカサゴ用よりハリスの長いメバル仕掛けを試してみたところ、エサの漂い具合がマッチしたようで見事に連続キャッチ

食べても美味しい釣りたてカサゴ!

期待以上に順調に釣れたカサゴ釣り。船の上では釣りたてのカサゴを特別にさばかせてもらい、試食にもトライしました。詳しいもようはぜひ動画をご覧ください!

河﨑莉奈(かわさき・りな)

1996年5月24日生まれ。岡山県出身
小学生のときにおじいちゃんと瀬戸内海の島に釣りに行ってました。「釣り堀めぐり」で都内と東京近郊の釣り堀に行って、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョを釣りました。ほかにもハゼを釣ったことがあります。

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴを釣ったことがあります。