今回で9回目となる「小学校釣りキャラバン」。葛飾区幸田小学校は水元公園などが近くにあるおかげか、釣りをしたことがある子どもたちがとても多かったのが印象に残りました。
小学校釣りキャラバンは2019年1月の初回から1年が経ったことになります。今回は釣りキャラバンに関わっている大人たちに一年間の感想を聞いてみました。
一年間の感想
- 幸田小学校・石田栄司先生
「30年間教員をやっていますけど、釣りの授業ははじめての試みです。葛飾区は川に囲まれているので水とは縁があります。水辺は身近な存在ですし、私たちと魚は切っても切れない関係だと思っています。子どもたちが水辺と釣りについてたくさん学んでくれれば嬉しいです」
- 日本釣振興会スタッフ(主催団体)
「『水辺は危ない』と言われがちですが、きちんと安全学習をしたうえで遊べば水辺はすごく楽しいんだよ!ということを伝えたくて企画したのが『小学校釣りキャラバン』です。9回実施してみて一番思ったのは、意外と釣りを楽しんでいる小学生が多いということです。私たちとしては『釣りの普及』を目指してこのイベントを行なっているわけですけど、子どもたちとの会話を通じて、みんな釣りを楽しんでいてくれているんだということがわかって嬉しくなりました。釣りは廃れていく文化ではないことが確信できたので、今後はもっと『入り口』を広くする活動に力を入れていきます。具体的にはもっと手軽に釣りを楽しめる場所を増やしていきたいです。釣り場が近くにある小学校は釣りが好きな子どもが多いことを実感できたことも収穫です」
- 結び体験の先生
「毎回結びを教えて感じることは2種類の子どもたちがいるということです。教えられた方法を忠実にやる子どもと、自分なりの方法を試す子の2種類です。女の子は前者が多くて、男の子は自由奔放な傾向があるような気がしています。釣りを覚えていくうえでは、どちらの性格でもいいと思っています。教えを忠実に守っていれば上達が早いですし、自分の方法を探す子どもは失敗から学んでくれます。『あ、ここの部分が手本と違うから抜けちゃうんだ!』というようなトライ&エラーが大事で、多くのことを学ぶ機会だと思っています」
- キャスティング体験の先生
「毎回思いますが、子どもは本当に飲み込みが早い!大人が思っている以上に早い段階で的にルアーが入るようになります。とくに5年生、6年生は上手です。ちなみに、キャスティングの一連の動作のなかで、子どもたちが一番楽しそうなのはリールのハンドルを巻いているとき。笑顔が多いですね」
- ヒロシくん・モモちゃん(水辺の安全学習先生役)
ヒロシくん「いつも『釣りをしたことはあるー?』と質問をするんですが、そのときの子どもたちは本当に楽しそうに手を上げてくれます。子どもたちが一番反応するのは『ザリガニ釣り』の話。最高のエンターテイメントなんでしょうね!」
モモちゃん「話を聞いているだけのときより、手を上げたり、声を出したりする参加型のコーナーのときが一番楽しそうに見えますよね。あと、近くに川がある学校ほど、話を聞いている子どもたちの表情が真剣で、会話も盛り上がっている印象があります」
- 運営スタッフ(小学校との交渉などを担当)
「『小学校釣りキャラバン』の実施の交渉を小学校と行なっているのですが、スケジュールなどのハードルがあって、すべての学校では実施できていないのが現実です。ただ、実際にキャラバンで回った小学校からはかなりの好評をもらっています。今後はもっと多くの小学校で実施して子どもたちの『楽しい!』を増やしていきたいです。このイベントの規模と認知度がますます高くなっていくことを目指して今後もがんばります」