人生を輝かせる趣味釣りあそびジャーナル

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ルアー釣りはじめます!

5分で読める釣り入門

No. 12

実践!フリーリグでねらうクロダイ

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
この連載のテーマは「ルアー釣り」!
今回はフリーリグと呼ばれる仕掛けが活躍します。
高砂ひなたさんと駒澤清華さんのふたりがクロダイ釣りを楽しみます!

中央が駒澤清華さん、左が高砂ひなたさん、右が今回の釣りを解説してくれる、つり人社編集部・Basser編集長の佐々木徹さん。

「釣り方と必要な道具の扱い方」は連動動画でチェック!

※釣りをするときは安全面や暑さ、寒さ対策のために帽子を被りましょう。また、ライフジャケットの着用も忘れずに。

クロダイってなんだ?

今回釣りたい魚はクロダイです。クロダイはスズキ目タイ科の海水魚で東アジア全般に生息しています。日本では北海道から九州のまで幅広く生息していて、地域によっては「チヌ」とも呼ばれています。東京では多摩川や旧江戸川、大阪では淀川や大阪湾などの都市部に近い港湾や河口部、運河にも多く生息しているため、身近な釣りのターゲットとして人気があります。大きいもので70cmを越えるまで成長し、50cmを超えるサイズは年無し(何年生きているかわからないという意味)と呼ばれています。1年中釣ることのできるクロダイですが、ゴールデンウィークごろから8月がハイシーズンです。
クロダイは雑食性の魚で、普段はエビやカニなどの甲殻類やカラスガイやカキなどの貝類を食べています。エサでもねらうことのできるクロダイですが、ルアーにもよく反応します。ルアーでクロダイをねらうことを「チニング」といいます。

クロダイは写真のようなゴロタ石や石積み、カキ瀬(カキの貝殻がびっしりと底に生えているところ)などのゴツゴツした場所が大好きです。カキ瀬はエビやカニなどのエサが豊富な場所なので、クロダイが集まってきます。河口部に写真のような場所があれば、クロダイが釣れる可能性が高いです。

フリーリグって何?

今回活躍するのはフリーリグという仕掛けです。スイベル付きのオモリを使った遊動式の仕掛けで、根掛かりしにくいのが特徴です。クロダイはカキ瀬やゴロタなどのゴツゴツした場所が大好きなので、そのような場所でルアーを使う際に、フリーリグが持つ根掛かりのしにくさが活躍します。ワームと呼ばれるプニプニした素材のルアーにフックを刺して使います。

シンカー(オモリ)には丸型と棒型の2種類の形状があります。丸型は底と触れる面積が大きいため、底に着いている感覚をつかみやすいメリットがあり、棒状のシンカーは細長いため根掛かりしにくいメリットがあります。これからフリーリグを始める人はまずは丸形を使って、フリーリグが底に着いている感覚をつかみましょう。流れの強さや水深にもよりますが10gのオモリを基準に5~14gを使い分けるとよいでしょう。

クロダイはエビやカニなどの底生生物が大好物です。クロダイをねらうときには、7cm前後の、エビやカニを模したワームを使うとよいでしょう。

根掛かりしやすい場所をねらうことが多いので、オフセットフックと呼ばれる種類のフックを使うのがおすすめです。ハリ先をワームに隠すことができるので、根掛かりを避けやすくなります。

◆ルアーについてはこちらをチェック!
●「ルアー釣りはじめます! No.1 はじめてのルアー釣り ―ルアーってなんだろう―」

◆イトの結び方はコチラの動画を参考にしてください
●釣り糸の結び方 - ユニノット

釣りの準備と使う道具

フリーリグで楽しむクロダイ釣りにはどのような道具を使うのでしょうか?

フリーリグを使うサオは、2~2.5mのスピニングロッドを選ぶとよいでしょう。クロダイ専用のサオも販売されていますが、シーバスまたはブラックバス用のミディアムライトやミディアム、ミディアムヘビーパワーのものであれば流用することができます。リールは2500番台を選び、PEラインという強度の強いイトを使用します。 太さは0.6~0.8号でよいでしょう。魚が掛かったときの衝撃を吸収するために、PEラインの先端にフロロカーボンの2.5~3号のイトを結びます。このイトのことをリーダーと呼びます。

◆リーダーの結び方はこちらの動画をご覧ください。
●「FGノット(結び方に少し慣れが必要ですが、強度が出やすくオススメの結び方です)

●電車結び(簡単に結べるので、FGノットが難しい方は電車結びを使ってください)

ペンチやハサミは必ず携帯しましょう。イトを切ったり、魚の口からハリを外す際に役に立ちます。

取り込み用にタモ(魚をすくい入れる網)は必携です。足場が高い場所もあるので4m前後のものがあるとよいでしょう。タモは、柄を伸び縮みさせて長さを調整できるものを選びましょう。

クロダイの歯は硬いので、魚を持つときは必ずフィッシュグリップ(魚つかみ)を使いましょう。

濡れているゴロタ石は滑りやすいです。また、岸際は船の引き波で波立つことも多いので、スニーカーではなく長靴が万全です

フリーリグの動かし方

フリーリグの動かし方をご紹介します。投げたルアーが水面に着いたら、そのままイトを出して水の底にルアーが着くのを待ちます。リールからイトが出ていかなくなったらルアーが底に着いた合図です。ルアーが底に着いたら。底付近をゆっくりと一定のスピードで巻きます。底にある障害物にゴンゴンと当たるのを感じながらリールハンドルを巻いていきます。

イラストの用語解説
ボトム:水底のこと
バイト:魚のアタリ
チェイス:魚がルアーを追いかけること
シンカー:オモリ

イトを巻いている途中、ルアーが何かに引っかかってしまったときは巻くのを止めます。サオを軽く縦にあおってイトを張ったあとにサオ先を下げてイトをたるませてください。そうすることで引っかかったルアーが取れることが多いです。このとき、サオ先をできるだけ高く上げた状態でイトを張ったりゆるめたりするのがコツです。
巻いている途中、障害物に引っかかりすぎてルアーが巻きづらいと感じるときは、巻くスピードを少し速くしたり、使うシンカー(オモリ)を軽くすることで解消できます。

◆投げ方のコツはコチラをご覧ください
●「釣りはじめてサポート 遠くに投げられない! 投げ方のコツ」

実践! フリーリグを使ってクロダイをねらってみよう!

今回は千葉県の旧江戸川・河口エリアにやってきました。ゴロタ石とカキ瀬が広範囲に広がっているエリアです。釣りを始めたのは満潮の潮止まり。これから下げ潮に変わってだんだんと流れが出てくるタイミングです。潮の干満の影響を受ける釣り場では、潮が動き始めるタイミングで魚の食い気が立つことがよくあります。

◆ルアー釣りのマナーはこちらをご覧ください
●「釣りはじめてサポート 釣り場のマナー:ルアー釣り編」

「クロダイって見たことないんです。釣ってみたい!」と話す駒澤さん。気合が入ります。それではスタートです!

旧江戸川の河口エリアは、岸から20mほど沖に地形の変化があります。地形の変化に魚が着きやすいので、沖に向かってルアーを投げていきます。

高砂さんは黄色が混ざった色のワームを選びました。「直感で派手な色を選んでみました。朝早くて暗いから目立つんじゃないかな。あと、使っていて楽しい色です」と高砂さん。

巻いているとゴツゴツゴツと底の感触が伝わってきます。クロダイがルアーを食うと口ばしで突っつかれているような鋭いアタリが手元に伝わります。

開始から1時間も経たないうちに、高砂さんの手元に鋭いアタリが伝わります。サオがグングン曲がります。これは大物か……!?

釣りあげたのはなんと50cmはあろうかというクロダイです。「ルアーを巻き始めてからリールハンドルを5回巻いたところでゴツン!という感触が手元に伝わりました。こんなに引く魚を釣ったのは初めてです」と高砂さんは驚きます。年無しサイズのクロダイの引きはとてもパワフル。ファイトシーンをぜひ動画でご覧になってください。

釣り場紹介
◆旧江戸川・河口エリア
住所千葉県浦安市2丁目付近

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、ブラックバス、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴ、ブルーギル、トラウトを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。前回のルアー釣りはじめます!ではクランクベイトでブラックバス釣りを楽しみました。

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