ルアー釣りはじめます!

5分で読める釣り入門

No. 06

実践!これでハゼが釣れるんですか!?
クランクベイトで楽しむハゼ釣り(ハゼクラ)

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
この連載のテーマは「ルアー釣り」!
ルアーとは疑似餌のことです。
今回のテーマはルアーでねらうハゼ。
高砂ひなたさん、駒澤清華さんのふたりが、クランクベイトと呼ばれるルアーでハゼ釣りを楽しみます。

中央が高砂ひなたさん、右が駒澤清華さん、左が今回の釣りを解説してくれる、つり人社編集部・Basser編集長の佐々木徹さん。

「釣り方と必要な道具の扱い方」は連動動画でチェック!
●「クランクベイトでハゼを釣ってみよう!」

ハゼってどんな魚?

簡単な仕掛けで楽しめるハゼ釣りは、エサ釣りだけでなくルアーでも気軽にねらうことができます

今回ルアーでねらう魚はハゼ。河口付近の汽水域(海水と淡水が混ざった場所)に多く生息しています。砂泥底の浅場を好み、底を向いてゴカイやプランクトンなどの底生生物を食べています。夏から秋にかけては、ハゼが浅場で積極的にエサを食べるので、これから釣りを始めたい方でも釣りやすく、おすすめの季節です。

ハゼクラってなに!?

イソメやゴカイなどのエサでねらうことが一般的なハゼ釣りですが、2013年ころからルアーでねらう釣りが広まりました。クランクベイトと呼ばれるルアー(疑似餌)でハゼをねらうので「ハゼクラ」と呼ばれています。

◆ハゼのエサ釣りはコチラをチェック!
●「釣りはじめていいですか? No.6 釣りやってみた ちょい投げのハゼ釣り
(東京都・東海ふ頭公園)」


◆ルアーについてはこちらをチェック!
●「ルアー釣りはじめます! No.1 はじめてのルアー釣り ―ルアーってなんだろう―」

クランクベイトとはルアーの種類のこと。おもにブラックバス釣りで使われているルアーです。ずんぐりむっくりしたボディーにリップが付いていて、リールハンドルを巻くと水底に向かって潜ります。ハゼ釣りでは底付近を通して砂煙を巻き上げながら使います。

ハゼがなぜクランクベイトで釣れるのかは諸説ありますが、「クランクベイトで底を引いたときに立つ砂煙が立ち、ハゼが興味を持って近づく。近づくと、うにょうにょと動く後ろのハリを見つけてエサだと思って食べてしまう」ケースが多いとよく言われています。

クランクベイトは製品によってそれぞれ潜る深さ(潜行深度といいます)が異なります。
浅場ではあまり潜らないタイプが活躍します。ですが、あまり潜らないタイプを深場で使うとルアーが底に着きません。深場では深く潜るタイプが活躍しますが、浅い場所だと深く潜りすぎて根がかりやすくなります。
ハゼが生活している汽水域は、潮位で釣り場の水深が変わることが多いので、異なる潜行深度のクランクベイトを数種類持っておくと色々な状況に対応できます。1.2mくらい潜る浅場用と2mくらい潜る深場用があればよいでしょう。製品のパッケージやメーカーのホームページに書いてあるので、買うときにはチェックしてください。
また、多くのハゼ用クランクベイトは放っておくと浮き上がる「フローティング」タイプですが、放っておくと沈む「シンキング」タイプの製品もあります。シンキングタイプをひとつ持っておくと、潜る深さを細かく調整ができて便利です。ただし、沈みやすいため根掛かりのリスクは増えます。

ハゼはおもに後ろのハリを食べるので、ハリ掛かりがよくないときは後ろのハリにもうひとつハリを追加したり、後ろのハリを長いイトで付いているハリに交換することによってハリ掛かりがよくなります。(アシストフック)
さて、ここからは現場での解説を交えて紹介していきます。

実践!ハゼをクランクベイトで釣ってみよう

いよいよハゼクラを実践していきます。果たして魚をキャッチすることはできるでしょうか?

今回やってきたのは、多摩川の河口付近にある殿町エリア。コンクリートで護岸されていて足場がよく、ビギナーや家族連れの方でも安心して釣りを楽しむことができます。潮位によっては足もとが干上がってしまうので、殿町エリアでハゼクラをする場合は潮時表をチェックして、満潮前後から釣りをしましょう。
ゴカイでハゼを釣ったことがある高砂さんと駒澤さん。「こんなかわいいルアーで釣れるのかな!?楽しみです!」と興味津々。目標は〝ふたりで合計10尾〟です。

※釣りをするときは安全面や暑さ対策のために帽子を被りましょう。また、ライフジャケットの着用も忘れずに。

◆ルアー釣りのマナーはこちらをご覧ください
●「釣りはじめてサポート 釣り場のマナー:ルアー釣り編」

佐々木さんが試し投げで早々にハゼを釣ります。
「今日はふたりで10尾いけるかも!がんばろう」と佐々木さん。ふたりの期待も高まります。

ロッド(竿)は3g前後のルアーが投げられるような1.8m前後のウルトラライトパワーのスピニングロッドがおすすめ。ハゼクラ専門のロッドもありますがアジ、メバル、トラウト、バス用などで代用することができます。

リールは2000番台のスピニングリールにライン(イト)はナイロンやフロロカーボンの3ポンド、PE0.4号を巻きます(PEラインを使う時はリーダーにフロロカーボン2号前後を結びましょう)。どんな素材のラインでも釣れることのできるハゼですが、伸びが少ないPEラインを使うとよりハゼの生命感をビンビンと手もとに感じることができて楽しいです。

◆イトをリールに巻く方法はこちらからどうぞ。
●「リール・ロッド・道具について」

使い方はルアーを投げてリールを巻くだけと簡単。沖に投げると根掛かりしたときに外れにくくなるので、まずは近場の足元から探りましょう。ハゼは岸際にもいるので10mも投げることができれば充分です。

投げたらリールハンドルを巻いてルアーを潜らせます。ルアーが底に着くと手もとに「コンコン」という感触が伝わります。あまり早く巻いてしまうとハゼがルアーを追いかけきれないので注意しましょう。 巻くスピードは動画を参考にしてみてください。

サオは強く握りすぎず軽く持つことが重要です。ルアーを底に着いたときにサオ先が入りやすくなり、ルアーが底に突っ込み過ぎないため根掛かりが減ります。クランクが軽く引っかかってしまったときは決して引っ張らないこと。サオ先を立てて弾いてみたり逆方向に回り込めば外れることが多いです。

まずはルアーが底に着く感触をつかみましょう。サオ先を下げることによって、よりルアーが潜りやすくなり、底に当たりやすくなります。
「巻くとルアーがプルプル動いて、何回か巻くとコツコツ底に当たったような感触がします」と高砂さん。
ハゼがルアーを食うと、プルプルっと生命感が手元に伝わります。アタリがあってもそのままゆっくり巻き続けましょう。ハゼはハリを食べてくることが多いので、アタリを感じながら巻いていると勝手に掛かってくれます。

すると高砂さんが1尾目をキャッチ。「コツコツ底に当たっていた感触が、魚の感触に変わりました。やった~!」と高砂さん

底を取るのに苦戦している駒澤さんはルアーをより底に潜らせるために、しゃがんでサオ先を水面に近づける作戦に。「立って巻いているときよりも底に当たっている感触がします」と駒澤さん

「あ、いま当たったかも!」と駒澤さん。しゃがんでルアーを引く作戦がうまくいきそうな予感。

すると、手もとにしっかりと生命感を感じます。「きてる~!」駒澤さん待望の1尾目です。

目標はふたりで10尾。1箇所で粘らずに、反応がよい場所を探していきます。

すると高砂さんが2尾目を釣りあげました。「岸近くにハゼっぽい魚がたくさんいるのが見えたので、岸際を中心にねらいました」と高砂さん

駒澤さんも岸際をねらい2尾目をキャッチ。「ひなたちゃんが釣ったのを参考に、岸際をねらったらすぐきました」と駒澤さん
コツをつかみ、快調に釣り重ねていくふたり。果たして目標の10尾を釣ることができたのでしょうか。続きは動画をご覧ください。

釣り場紹介
◆多摩川 殿町の護岸エリア
住所 〒210-0821 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25付近
交通 首都高速神奈川6号川崎線・殿町ICから車で約5分
(川崎キングスカイフロント東急REIホテルに有料駐車場パーキングあり)
京急大師線・小島新田駅より徒歩15分

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、ブラックバス、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴ、ブルーギルを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

1998年8月24日生まれ。大阪府出身
中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。前回のルアー釣りはじめます!ではクサフグを釣りました。