ルアー釣りはじめます!

5分で読める釣り入門

No. 09

実践! トップウォーターでねらう管理釣り場のトラウト

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
この連載のテーマは「ルアー釣り」!
今回はトップウォーター(水面で使う疑似餌)を使って管理釣り場のトラウトをねらいます。
高砂ひなたさん、駒澤清華さんのふたりが挑戦します!

中央が駒澤清華さん、左が高砂ひなたさん、右が今回の釣りを解説してくれる、つり人社編集部・Basser編集長の佐々木徹さん。

「釣り方と必要な道具の扱い方」は連動動画でチェック!

※釣りをするときは安全面や暑さ、寒さ対策のために帽子を被りましょう。また、ライフジャケットの着用も忘れずに。

“トップウォーター”ってどんなルアー?

“トップウォーター”というのは、ルアー(疑似餌)のひとつのカテゴリーで、水中に潜らせず、水面で扱うルアーの総称です。淡水魚、海水魚問わず、トップウォーターでねらうことのできる魚はとても多く、そのぶんルアーの種類も豊富にあります。

◆ルアーについてはこちらをチェック!
●「ルアー釣りはじめます! No.1 はじめてのルアー釣り ―ルアーってなんだろう―」

管理釣り場のトラウト用に使うトップウォーターがコチラ。サイズは3cm前後が一般的です。対象魚の口の大きさに合わせてサイズを選ぶとよいでしょう。今回挑戦するニジマスやヤマメは口の小さい魚なので、このくらいのサイズがぴったりです。

これは「ポッパー」と呼ばれるルアーです。頭のほうにお椀状の窪み(カップ)があるのが特徴で、水面で動かすと独特の「ポコッ」という音を発します。

これは「クランクベイト」というルアーです。「リップ」と呼ばれるくちばしのようなパーツが水を受けて、ルアーが水中に潜ります。一般的には、リップが長ければ長いほど、ルアーが深く潜ります。今回使うのはリップが短く、水面からごく浅いところを泳いでくるタイプで「サーフェイスクランク」と呼ばれています。

水面まで魚をおびき寄せる釣りなので、魚が食いつく瞬間が見られるのがトップウォーターの醍醐味。エキサイティングな瞬間が病みつきになり、トップウォーターのルアーしか投げない! という釣り人もいるほどです。

実践! トップウォーターを使って管理釣り場のトラウトをねらってみよう!

トップウォーターの釣りを覚えるために駒澤さん、高砂さんのふたりがやってきたのは、神奈川県南足柄市にある「足柄キャスティングエリア」。ルアー釣り専用のエリアは、ポンド(池)タイプになっており、ヤマメ、イワナ、ニジマスなどが放されています。

足柄キャスティングエリアには、全国でも珍しいヤマメのアルビノ(体の色が白いこと)が放されています。隣接する「足柄養魚場」で繁殖、飼育されているとのことです。

そのほかにも、隣を流れる狩川(かりかわ)の流れを活かした本格的な釣りが楽しめる「ネイティブエリア」もあります。ここにもヤマメ、イワナ、ニジマスが放されています。

釣れ筋のルアーの販売や、タックル、ランディングネット(釣れた魚をすくう網)のレンタルも行なっているので、手ぶらで来ても釣りが楽しめます。

今回使うポッパー、サーフェイスクランクについてレクチャーを受けます。「水中に沈めないルアーは使ったことがないので楽しみです!」と高砂さん。

「水面で釣るっていうことは、魚たちは上から落ちてくるエサと勘違いする、っていうことですか?」と駒澤さん。鋭いです! 管理釣り場の魚は、普段は「ペレット」と呼ばれる人工のエサを与えられていることが多く、上から落ちてくるものに対しては反応がよいとされています。「それに、自然の渓流で生活するヤマメやイワナも、水面を流れるエサを食べることもあるから、けっして珍しいことではないんだよ」と佐々木さん。

しかし、水面まで飛び出すというのは魚たちにとっては鳥などにねらわれる可能性もあるので、リスクを伴うことでもあるのです。とはいえ、簡単にエサを追い詰められる場所でもあるので、エサを食べるチャンスには変わりないわけです。そんな習性を利用して楽しむのがトップウォーターの釣り。魚たちの一瞬の動きから目が離せないのです。

まずはルアーの動かし方について、佐々木さんによる模範演技です。足もとでルアーを動かして、どんな動きをするのかチェックです。

ポッパーはサオで軽く弾くようにすると、左右に首を振るように泳ぎます。このとき、カップが水をつかんで水しぶきがあがります。水中には「ポコッ」と、ポッパー特有の音がします。「これが、“ほかの魚が水面でなにか食べているのでは!?”と、魚たちに思わせる音と言われているよ」と佐々木さん。

こちらは短いリップのついたタイプのポッパー。水面で音を出すこともでき、水面直下まで潜らせることもできるルアーです。

サーフェイスクランクは、ゆっくりリールを巻くだけでOK。左右に首を振りながら、水面に波紋を立てて泳いできます。

◆ルアー釣りのマナーはこちらをご覧ください
●「釣りはじめてサポート 釣り場のマナー:ルアー釣り編」

軽いルアーを扱うので、サオはウルトラライトパワーのスピニングロッドが適しています。あまり遠くまで投げる必要もないので、長さは1.5~1.8mくらいでOKです。リールは1000~2000番。イトは、トップウォーターの場合は水に浮くナイロンラインがよいでしょう。太さは3LbくらいでOKです。

イトの先端にスナップを結べば、ルアーの交換もワンタッチで行なえるので便利です。

魚に手を触れずにハリを外すことのできる「リリーサー」です。魚の口についたハリに引っ掛けて使います。

こちらもハリを外す際に使えるフォーセップという道具です。深く刺さっている場合はリリーサーで外すことができないこともあるため、用意しておくとよいでしょう。

ランディングネット(魚をすくう網)は、網の部分がゴムでできたもののほうが魚を弱らせにくく、またハリが絡んだりするトラブルも少ないです。

道具の準備が終わったら、早速実践です! 釣り人同士のトラブルにならないよう、自分の真正面に投げるようにしましょう。

早速佐々木さんにヒット! サーフェイスクランクをゆっくり巻いてきたら後ろから追ってきて、ルアーをパクリ! 「今日は魚の活性が高いから、トップウォーターで釣るにはすごくいい日和かもしれないよ!」。

釣れたらリリーサーをハリに引っ掛けて、魚の身体に触らずリリースします。水から上げたり、手で触ったりすると魚がやけどなどをしてしまい、弱ってしまうことがあるので、可能な限り水につけたままリリースしましょう。

サーフェイスクランクを使っていた高砂さん。「なにも動かさなくても、浮かべているだけで魚がルアーを見に来ます!」。

駒澤さんが投げたポッパーにヤマメが近づいてくる……! しかし、Uターンしてしまいました……。「もう少しで食いつくところだったのに~!!!」。

駒澤さん、釣り始めてから30分で1尾目をゲット! 「魚がルアーに飛びつく瞬間が見えました! そのまま巻いてきたら釣れました」。魚の取り込みにも、だいぶ慣れてきました。

トップウォーターの釣りのコツは、魚がルアーに食いつくのが見えても、慌てずリールを巻いて合わせることです。魚はルアーめがけて飛びついているように見えて、意外とちゃんと口に入っていないことも多いのです。サオに重みを感じたらリールを巻き始める、くらいの余裕があってもいいかもしれません。

高砂さんにもヒットです! 「ツンとつつかれた感じがしたので少し待って、そのまま巻き始めたら釣れました~!」。

そのままリリーサーを使ってのリリースにも挑戦です。ハリに上手く引っ掛けて、魚を水から出すことなくリリースします。

佐々木さんがヤマメのアルビノをキャッチ! 珍しい魚体にふたりも驚きます。「へぇ~初めて見ました。本当に白いですね!」。

その後も順調に釣果を重ねていくふたり。「魚がバシュッとルアーに飛びつくのが見えるのが楽しいですね」と高砂さん。「一部始終が見られる釣りは初めてですが、すごくエキサイトします!」と駒澤さんも楽しそう。続きは動画でご覧ください!

釣り場紹介
◆足柄キャスティングエリア
住所 〒250-0136 神奈川県南足柄市矢倉沢1682
交通・車 東名高速道路・大井松田ICから車で約30分
交通・電車 伊豆箱根鉄道・大雄山線「大雄山駅」下車。箱根登山バス「関本」発、「矢倉沢・地蔵堂」行きに乗り、「矢倉沢バス停」下車徒歩10分

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、ブラックバス、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴ、ブルーギルを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

1998年8月24日生まれ。大阪府出身
中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。前回のルアー釣りはじめます!では砂浜からスピンテールジグを使ったヒラメ釣りに挑戦しました。