釣りはじめていいですか?

初めてのブラックバス釣り

その 15

初めてのブラックバス釣り

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
釣りってどうやってはじめるのか、テーマごとに学んでいきましょう。
生徒は駒澤清華さんと高砂ひなたさんです。


左:駒澤清華(こまざわ・きよか)さん 右:高砂ひなたさん(たかさご・ひなた)さん


釣りを教えてくれるのは、つり人社「月刊Basser」編集長の小林直樹さん

▪ 連動動画でもチェック!
https://youtu.be/HXD_ZXvsTMg

今日釣りたい魚はブラックバス。日本全国に分布しており、ダム湖や自然湖、沼や河川などの淡水域で釣ることができます。小魚やエビなどが主食。好奇心旺盛で時には自分よりも大きいルアーを襲うこともあります。釣れるのは30cm前後が多いですが、最大で60cmを超えます

注意
※ブラックバスは釣り場から生きたまま持ち出すことや別の川や湖に放すことなどが外来生物法によって禁止されており、違反した場合は罰せられます。釣れた場所以外の水辺には絶対にリリースしてはいけません。法律を遵守して釣りを楽しみましょう

※また、湖によってはその場でキャッチ&リリースすることも条例で禁止されている場合があります。釣行前に確認し決まりがある場合は遵守しましょう
■釣り場のマナー:ブラックバスのキャッチ&リリースについて

ブラックバスはプラスチックや金属、木などで作られた「ルアー」と呼ばれるもので釣ることができます。ルアーは生きエサのように動きません。釣り人自身がルアーを動かしてバスを誘います。特に水面でバスを誘うトップウォーターと呼ばれるジャンルの釣りは、魚がルアーに食いつく瞬間を目の当たりにできるのでとてもエキサイティングです。バス釣りは状況に応じたルアー選びや動かし方によって釣果に差が出るのでゲーム性が強い釣りとして人気があります

ルアーには大きく分けて2種類あります。硬い素材でできた「ハードルアー」と柔らかい素材でできた「ワーム」です。多くのハードルアーはトレブルフックという3本バリが付いています。ワームは触るとプニプニしていて、自分でハリを刺して使います

■こんなにある!「ルアーの種類」

ブラックバスは岸からもボートからも釣ることができます。岸釣りは「オカッパリ」と呼ばれ、ボート関連の装備がなくても気軽に楽しめます。ボートフィッシングは水面を自由に移動して釣りができるので、探りたい場所の近くで釣りができるという利点があります。今回はブラックバスの管理釣り場に行き、岸からブラックバスをねらいます

やってきたのは群馬県にある宮城アングラーズヴィレッジ。ブラックバスを釣ることができる管理釣り場です。管理釣り場は魚の数が多く足場もよいので、初めての方が釣りをするのにぴったりな場所です

◎宮城アングラーズヴィレッジ(群馬県)
〒371-0241 群馬県前橋市苗ヶ島町1950
●北関東自動車道伊勢崎IC下車前橋方面へ。ICより15分

バス釣りの道具

バス釣りは非常に気軽に楽しめますが、服装には気を付けましょう。虫刺されや日焼けのことを考えると、長袖・長ズボンが良いでしょう。また夏は水分補給のための飲料水は忘れず用意しましょう。釣りをする際は安全のため、ライフジャケットを着用しましょう

■知っておきたい「ルアー釣りのマナー」

バス用として一般的に使われているルアーは2~32g前後と幅広いため、使うルアーの重さや使い方に合わせたサオを選ぶことが必要です。どんなサオを選べばよいか迷ってしまうバス釣りですが、まず1尾釣ってみたいという方には2~7g前後の小さなルアーを扱えるサオがおすすめです。小さなルアーを使うと釣れるバスのサイズは選べませんが、その分魚からの反応は多い傾向にあります。最初の一本を買うのであれば、釣具店に行き、「1.8mでウルトラライトパワー(非常に軟らかいことを示します)のスピニングロッド」とリクエストすればいいでしょう。リールは「2500番のスピニングリール」でOK。同時に「フロロカーボン5Lb」を80~100m買い、店員さんにリールに巻いてもらいましょう。ちなみにスピニングリールにはイト付きで販売しているモデルもあります

今回、小林さんが2人におすすめしたのはただ巻きで動くルアー、通称「巻きモノ」です。ただ巻くだけで動いてバスを誘ってくれるのが特徴で、投げた後は、リールのハンドルをゆっくり回せばOK。巻きモノにはさまざまな種類がありますが、小林さんがこの日オススメしたのは「プロップベイト」。巻くと前後のプロペラが回りながら直進して魚を誘います。着水してすぐにハンドルを回し始めると、水面直下を泳いでくるので、ルアーの現在地や動きを目で確認しながら釣ることができます。バスが追いかけてきたり、食べたりするシーンをすべて目撃できるので、大興奮間違いなし! 

バスの居場所

ブラックバスは草木や岩、杭などの物陰に身を潜めてエサを待ち伏せします。ルアーが引っかかってしまいそうな場所は投げるのをためらってしまいますが、そういう場所ほどバスが着きやすく釣れるチャンスが高まります。障害物の側を通るようにルアーを通すと釣果が伸びます。流れ込みや水門などの水が動いている場所もねらいめです。また、岸際に隠れている場合も多いので足元も積極的に探ってみましょう

■「根掛かり時の対処法」

ルアーの重みをサオに乗せて投げます

■スピニングリールの「投げ方」
(5:12~が投げ方です)

巻きモノでバス釣りに挑戦
一定スピードでリールのハンドルを巻く

ルアーを投げて着水させたらリールのハンドルを巻いて動かします。さまざまな巻きスピードを試して、一番反応がよい巻き速度を探りましょう。どの巻き速度で巻けばいいかわからない場合は、1秒にリールのハンドルを1回転させる速さを基準にして、それより遅く巻いたり早く巻いたりしてみてください。巻きモノで釣るチャンスが多くなるのは、魚の活性が高くなり活発にエサを追っている朝と夕方です。日が高くなるとバスの活性が低くなり、巻きモノよりもワームでじっくりと誘うほうが反応がよい場合が多いです

■「ワームでブラックバスを釣る方法」

動かし方を解説中に小林さんにヒット! ルアーはプロップベイトです。「着水したらリールのハンドルを2秒で1回転させるくらいの速さで巻き始めて水面下20~30cmを引いてきました。するとバスが追いかけてきてそのままパクっと食べてくれました」

小林さんからプロップベイトを託された駒澤さん。教わった通りに、2秒でハンドルを1回転させるペースでゆっくり巻きます。すると見えていたバスが後ろについてきてすごい勢いで口を開きました。釣りあがったのは35cmのブラックバスです!

「今日はプロップベイトのような直線的に動くルアーに反応がいいのかも」と小林さんもニッコリ。日によって反応がいいルアーが移り変わるのがバス釣りの特徴です

10時を過ぎ日が高くなってくると、バスの反応が少なくなってきました。どんな釣り方がよいのか悩んでいる時に心強い助っ人が現われました。宮城アングラーズヴィレッジの養田智美さんです。ご当地の釣り方を伝授してくれるそうです

養田さんおすすめの釣り方はこちら。ジグヘッドと呼ばれるオモリが付いている1.5gのハリに約3cmの小さなワームを付けます。宮城アングラーズヴィレッジではエサとしてバスに小魚を与えています。ルアーをエサの大きさや形に合わせることによって、バスが違和感なく食べてくるとのこと。このように釣り場のバスが普段何のエサを食べて過ごしているかを知ることは、バスを釣るうえでとても重要です

足元に落とし、底に着いたら30cmほどサオを素早く持ち上げて落とします。ピョーンピョーンと1秒に2回サオを上げるイメージでこの動作を繰り返します。池に小魚が入れられた瞬間の泳ぎを真似した動かし方です。

足元を探っている駒澤さん。ワームが底に着いたら30cmほど持ち上げて落とす動作を繰り返すとアタリが出ます

釣れたのはストライパー。日本では限られた管理釣り場でしか釣ることのできない珍しい魚です

(注意)魚が掛かった際リールを巻きすぎてしまいました。サオ先に魚が近づきすぎると取り込みづらくなってしまうので注意です

(良い例)魚が掛かったらサオを立ててイトを張り、サオのしなりを使って魚を寄せましょう

高砂さんにも待望のアタリです。生まれて初めてブラックバスを釣った高砂さん。「ジグヘッドに付けたワームを1秒に2回のペースで50cm上げ下げしていたら釣れました!足元の障害物付近を何回もねらいました」

高砂さんがねらった足元の水草。こういった障害物にバスは潜んでいます。ルアーを入れる場所や角度を細かく変えながら何回も誘ってみてください

高砂さんが足元の水草をねらって連続ヒットです。その時の状況で反応がよい誘い方を見つけると、立て続けに釣ることができるのもバス釣りの魅力です

小林さんが沖にある水草の際にルアーを通すとサオが大きく曲がります

50cmの大きなストライパーを釣りあげました。ヒットルアーは巻きモノのクランクベイトです。巻くとルアーに付いたリップが水を受けブルブルと動きながら潜ります。ねらいたい水深に合わせて使うことができるルアーです。「着水後、ルアーを3秒ほど巻いて潜らせると当たりました」と小林さん
こうして無事にふたりともバスをキャッチすることができました。この主役になった巻きモノは投げて巻くだけで誰でも簡単に動かすことのできるルアーです。ぜひ皆さんも気軽にブラックバス釣りを楽しんでください

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

1998年8月24日生まれ。大阪府出身
今回から「釣りはじめていいですか?」に参加しました。中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。ルアーフィッシングに挑戦するのは今回が初めてです。