人生を輝かせる趣味釣りあそびジャーナル

場所

釣りはじめていいですか?

5分で読める釣り入門(初心者向け)

その 18

初めての
コイのブッコミ釣り

ねらう魚も、釣り方も、場所も数多くあるのが釣りの世界。
釣りってどうやってはじめるのか、テーマごとに学んでいきましょう。
生徒は駒澤清華さんと高砂ひなたさんです

左が高砂ひなたさん(たかさご・ひなた)さん、中が駒澤清華(こまざわ・きよか)さん、右が今回釣りを教えてくれる、つり人社編集部の八木健介さん

▪ 連動動画でもチェック!
https://youtu.be/lbLU5ctRQjM

近所の川で80cmも!?
身近な大ものを釣ろう

 今回の主役はコイ。全国の池や沼、河川に幅広く生息する大型魚で「淡水の王者」と呼ばれることもあります。日本人にとってはマダイと並んで馴染みの深い魚で、古くから観賞用、食用、そして釣りの対象魚として親しまれてきました。春夏秋冬、一年中楽しめるのがコイ釣りの特徴です。ただし、真冬はややコイの動きが鈍くなるので、水温が高めの都市河川などを釣るとよいでしょう。

コイは幅1mの用水路から小川、大河川まで、幅広い規模の川に生息しています。また、湖の種類も山上湖、自然湖、ダム湖など幅広く生息しています

住宅地に近い都市河川(写真は神奈川県を流れる多摩川)は足場がよいことが多くコイ釣りにオススメです

コイは平均で20年、長生きの個体で60~70年生きるとされます。釣れるコイは40cm~80cmが多く、1m以上のコイが釣りあげられることもあります。120cmを超えるコイもいますよ!

※コイヘルペスウイルス病のまん延を防止するため、都道府県によっては持ち出しや移動の制限がある場合があります。

場所によっては群れで泳いでいるコイが見られることも! コイが水面で活動しているようすを確認できる場所やタイミングは期待できるとされています

コイ釣りの仕掛けとエサ

 この日ふたりがトライした釣り方は「ブッコミ釣り」。オモリ付きの仕掛けを投げ入れ、底でアタリを待つ方法です。コイは回遊しながら底のエサ(貝類やアカムシ、エビ類など)を探し、吸い込んで捕食するので、エサが底に着けられるブッコミ釣りは理にかなった方法です。

ブッコミ釣りは非常にシンプルな仕掛けで楽しめます。サオは3~4.5mでオモリ負荷30号前後の「投げ釣り用ザオ」にスピニングリールの組み合わせがオススメです。リールはナイロン4号が150m巻ける4000番前後が使いやすいでしょう。釣れるコイのサイズが40~70cmと比較的小さい場合、シーバス用のルアーザオに3000番クラスのスピニングリール、ラインは3号でも大丈夫です

スピニングリールって

(コイ釣りに必要な道具)
3~4・5mの投げザオ
4000番前後のスピニングリール(ナイロン4~5号150m)
オモリ10~15号
サルカン(中型サイズ)
ハリス付ハリ(ハリス5号以上)
エサ各種
サオ掛け
水汲みバケツ
アンフッキングマット(レジャーシートやビニールシートでも代用可能)
タモ(ラバータイプが好適)

この日は投げ釣り用のサオ「20号-360cm」とスピニングリール3500番の組み合わせで釣りました。サオを立てる三脚もアタリを待つ際に非常に便利。水を入れた水くみバケツをぶら下げて固定します

左からサルカン、ハリス付きハリ、中通しオモリがあればブッコミ釣りは楽しめます

オモリは小規模な河川や池では10号、流れがある大河川では15~20号が標準です。写真のようにオモリの穴にイトを通すため「中通しオモリ」と呼ばれます。コイがエサを食べた際、イトがオモリの中をスルスルと通るためコイがオモリの重さを感じにくいのがメリットです

エサは釣具店で購入できます。エサ用のトウモロコシ(左)やいもようかん(右)はコイの大好物

食パンを細かく切ってエサにしてもOK

いもようかんはサイコロのようにカットして写真のようにハリに刺します

トウモロコシはこのように2~3個を刺しましょう

コイの専用エサである「ボイリ―」。練りエサを丸く固めたようなエサで、ハリに直接刺すのではなく、写真の部分に通してセットします。このボイリ―をコイが吸い込む際、ハリも一緒に口の中に入るというわけです。「ボイリ―」はエサ付けの際手にこびりついたり、匂いがついたりすることのない非常に扱いやすいエサです。コイ釣りグッズを豊富に取り揃えている釣具店で購入できます

セット方法は動画をご覧ください。16:56から解説しています。

これはコイを寄せるための練りエサ。パッケージに記載された分量の水と混ぜて練って使います。水中で徐々に溶けて匂いでコイをおびき寄せます

ブッコミ釣りでは吸い込み仕掛けが一般的ですが、練りエサでオモリを包むやり方もシンプルでおすすめ

この状態で投入しましょう。上のダンゴが練りエサ、下のコーンがコイを釣るためのエサです。練りエサは水中で徐々に溶け、寄ってきたコイがコーンをパクッという図式です

コイ釣りならではのアイテムがアンフッキングマット。釣ったコイを乗せるためのマットで、釣れたコイのハリを外したり、写真を撮ったりするときに魚にダメージを与えにくくなります。コイ釣りでは釣ったコイは逃がすことがほとんどです。ビニールシートやレジャーシートでも代用可能です

キャッチ&リリースって?

釣ったコイを最後にすくうアミも必須アイテムです

内水面では釣りの際に遊漁券が必要になります。その釣り場を管理している漁協に問い合わせ、釣りを始める前に購入しておきましょう

遊漁券を買う理由は?

サオの先に鈴を付けておくと、コイのアタリが出たときにリンリンと鳴って知らせてくれます

必須ではないですが、あるととっても楽なのがイス。水面やサオ先を眺めながら飲むコーヒーは美味しいですよ!

コイを釣ってみよう!

さぁ、これでコイを釣るための準備は整いました。あとは釣るだけです! 

この日、八木先生がふたりを連れてきてくれたのは神奈川県を流れる多摩川。稲田堤の護岸が釣り場です。都市河川にはこのように足場のよいコイ釣り場がたくさんあります。流れが強い河川の上流よりは、流れが緩い中・下流が釣りやすいです。
 コーンを付けたブッコミ仕掛けを投げる八木先生。八木先生と駒澤さん、高砂さんで3本のサオがあるので、それぞれ岸から10m、15m、20mと違う地点に入れてようすを見ました。
 しかしこの日はアタリがまったくないため、八木先生の提案でより規模の小さい支流に移動することに。

やってきたのは多摩川の支流。幅15mほどの小河川です。狭い分コイの密度が高く、コイがエサを発見する確率が高いのです

3人分のサオがあるので、エサを違うものにしました。コーン、いもようかん、ボイリ―のどれが食べられるのでしょう?

アタリを待つ間はドラグをゆるゆるにして、コイが仕掛けを引っ張るとリールからイトが簡単に出るようにしておきます。こうすることでサオをコイに持っていかれるトラブルを防止できるのです。アタリがあったらドラグは締めて合わせればOK

ドラグってなんだ?

時おりコイの姿を見かけます。どうやら底でハフハフしてエサを探しているみたい。これは期待できるのでは……!?

ブッコミ釣りの場合、仕掛けを投げたらイトを張って、写真のようにサオ立てにかけてアタリを待ちます。コイがエサを食べるとサオ先が動いてスズが鳴ります

掛けたあともスリル満点!

 しばらく待つと、3本のサオのうちの1本がリンリン鳴っているではないですか! コイがエサを食べて走っているに違いありません。

鈴が鳴りました! まずは駒澤さんがファイト! コイがエサを持って行ったらドラグを締めてサオを立てます。そのあとは無理せず徐々に巻いてくればOK。足場がいい場所ではコイの動きに合わせて足で着いて行くのも有効です

「コイってこんなに引くの~? 魚というより人間に引っ張られているみたい!」
高砂さんに支えてもらいつつコイの走りを受け止める駒澤さん

水面で大暴れするコイ! 大きすぎて頭が真っ白になる駒澤さん

無我夢中でやり取りしていると、気づくと八木先生がコイをすくってくれていました!

釣れたのは60cmを超える見事なコイ! 用意していたマットを濡らしてコイを置き、ハリを外したあと持って写真撮影。「魚というより赤ちゃんみたい!」と駒澤さん

釣ったコイを逃がすときはマットで包んで水辺に持って行き……

マットを開き……

コイの身体が泳げる向きになるように支えてあげて、自発的に泳いでいくのを待ちましょう

駒澤さんの1尾目の1時間後、ふたたびスズが鳴りました。今度は高砂さんが行きます!
「先ほど見ていたのでちょっと落ち着いてでき……ない!怖い(笑)!」

コイとのやり取りのコツを説明しましょう。サオを立てて引きを耐えていると、コイは自然と浮き上がってきます。コイが元気よく引いていてリールを巻けないときは無理をして巻かなくても大丈夫

コイが水面を割ったらチャンス! コイは写真のように空気を吸い込むと一気に弱って寄ってきやすくなります。「口が出たら取込み間近」と覚えておきましょう

足もとまで寄ってきたらアミを構え、アミにコイを誘導するように入れます。アミでコイを追いかけるのではなく、止めたアミにコイを入れる感覚でやるとうまくいきやすいですよ

アミをうまく使う極意!

高砂さんのコイもまるまる太った60cm級。都会を流れる小さな川でこんな大ものが釣れるなんてたまらないですね

落ち着いたところで改めてやり取りのコツをまとめる八木先生。「サオの後ろをこうやって腰に当てると引きを耐えやすいよ~」とのこと

釣れたコイをはなします。またね!

 この日は駒澤さんも高砂さんも見事なコイをキャッチできました。「こんな身近な川でこんなスリルのある釣りを楽しめるなんて知りませんでした」と駒澤さん。「アタリを待つ間にふたりでトークするのも楽しかったです」と高砂さん。穏やかな時間とドキドキハラハラタイムを両方味わえるコイ釣りはクセになりますよ。

もうひとつの釣り方「パンコイ」にもチャレンジ!

ブッコミ釣りでコイを手にしたあとは「パンコイ」にもチャレンジしました。食パンを浮かべてコイをねらう面白い釣り方です。ウキとハリを組み合わせたシンプルな仕掛けに、四角く切った食パンを付けて流します。

コンビニで買った食パンを四角くカットする駒澤さん

ウキとハリを組み合わせたシンプルな仕掛けで楽しめます

さっそくトライ。すると食パンがコイの大きな口に吸い込まれて……?
このあとの展開は動画(31:08~)でご覧あれ!
仕掛けや釣り方もくわしく紹介しています

駒澤清華(こまざわ・きよか)

1997年5月20日生まれ。北海道出身
お父さんが釣り好きで、小学生のときは毎年家族で石狩湾に行ってました。「釣り堀めぐり」で、コイ、ホンモロコ、テナガエビ、ニジマス、キンギョ、モツゴを釣りました。ほかにもハゼ、セイゴを釣ったことがあります。

高砂ひなた(たかさご・ひなた)

1998年8月24日生まれ。大阪府出身
中学生のころに家族でニジマスの手づかみをしたことがあります。大人になって八景島シーパラダイスの釣り堀でアジを釣ってから、釣りに興味を持つようになりました。前回の釣りはじめていいですか?ではブラックバスを釣りました。