釣り遊び
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清流の管理釣り場で ニジマス釣り【特別編】
芥川(あくたがわ)清・渓流魚釣り場(大阪府高槻市)
芥川(あくたがわ)清・渓流魚釣り場(大阪府高槻市)
フィールド別 釣りの準備~砂浜編~
この連載は釣りの準備がテーマ。
準備といっても、釣り方や釣り場によって
用意するものは様々です。何を持っていけばいいんだろう?
という準備の疑問を解決。必需品からお助けアイテムまで、あなたの釣りをサポートします。
今回のテーマは「砂浜の釣り」です。
大海原に向かって仕掛けを投げる爽快感は格別です!
それではいってみましょう!
砂浜の釣りを楽しむために準備するものリスト
服・小物
釣具
開放的な空気がとても気持ちのいい砂浜。ルアーや仕掛けを遠くに飛ばす爽快感もあり、多くのファンが砂浜での釣りに魅了されています。
注意事項としては、釣りだけでなく、夏場は海水浴客でにぎわう場所もあります。また、近隣住民の方々が日常的に訪れる場所でもあるので、周りの人に注意して場所を選びましょう。
それでは、まずは、砂浜がどんな場所なのかを見ていきましょう。
駐車場から砂防林などを隔てて海岸に出るようになっていることが多いです。
海水浴場として開放されている砂浜であれば、こうした駐車場が近くにあることが多いです。路上駐車などが原因で、釣り禁止になってしまうこともあります。駐車マナーには充分注意しましょう。
波が高い日は釣りを避けましょう。危険なだけでなく、海底の砂が巻き上げられ、釣りの条件としてもいいものではありません。
砂浜の釣りはサーフィンのスポットになっていることも多いです。周りの人の迷惑にならないような場所を選びましょう。
砂浜は開放感があってとても気持ちいいです。潮の香りを吸い込み、大海原と対峙する時間は格別です。
陽に照らされた波の壁に、小魚が映し出されています。砂浜ならではの美しい光景ですね。
こちらは少し大きな魚のようです。魚の姿が見えると気持ちも昂りますね。
砂浜の釣りで重要なのは、場所の見極め方です。簡単なのは、陸地を見て海底を想像することです。山が迫っているところは急に深くなっており、傾斜が緩やかなところは遠浅になっていることが多いです。陸地がそのまま海底に繋がっていると考えるとわかりやすいでしょう。一見、だだっ広い海が続いているように見えますが、そうした変化をねらうことが、魚を手にするヒントになります。
沖で白波が立っているところは、そこが岩場になっている可能性があります。
砂浜は近隣住民の憩いの場でもあります。周囲に気をつけながら釣りをしましょう。
サーフィンの方が沖に見えたら、そこで仕掛けを投げるのは絶対にやめましょう。
隣の釣り人との間隔をしっかり取って投げましょう。とくに慣れないうちは仕掛けが左右にブレてしまうこともあるので、充分な距離を取ることを心がけましょう。また、隣で釣りをするときは必ずあいさつをしましょう。ポイントの情報も得られるかもしれません。
広々とした場所ではありますが、投げるときは必ず後ろを確認しましょう。波の音で周囲の音が聞こえにくいので、人が歩く音も聞こえにくいです。
それでは、砂浜ではどんな魚が釣れるのか見ていきましょう。
シロギス
砂浜からのチョイ投げで釣れる代表的な魚です。日本全国広く分布しています。沿岸部の砂地の海底に生息し、7~10月は産卵に備えて接岸するので、砂浜から手軽にねらえる人気の魚です。
マハゼ
汽水域から沿岸部の浅瀬に生息し、体長15cmほどまで成長します。雑食性でさまざまな釣り方でねらえ、食べても美味しい魚です。
ヒラメ
底が砂地になっている場所に生息します。小魚を捕食しに浅瀬に入ってきます。ルアーでねらえる代表的な魚です。
スズキ
こちらもルアーでねらえる人気の魚です。大きさによってフッコ(30cmまで)、セイゴ(40cm以上)、スズキ(60cm以上)と呼び方が変わる出世魚です。ルアーでねらう釣り人からは「シーバス」と呼ばれます。
マゴチ
ヒラメと同様、砂地に生息する魚です。小魚を好んで捕食するので、ルアー釣りをしていると釣れることがあります。最大70cmほどまで成長します。
アカエイ
尾ビレに毒針を持つ危険な魚です。ルアーにも、エサにも食いついてくることがあるので釣れたら手を触れないようにしましょう。刺されると激しい痛みを伴い、発熱、嘔吐、痙攣などを起こします。また、人によっては呼吸困難に陥る可能性もあるので充分注意しましょう。
■毒のある魚についてはここもチェック!!
堤防で釣れる毒魚図鑑
開放的で気持ちのいい砂浜ですが、太陽光や風を遮る場所がないので、一方では過酷とも言えます。また、移動を繰り返すこともあるので、携行性も考慮した装備にしましょう。
でこぼこした砂浜は意外と歩きづらいです。歩きやすい靴や、サンダルの場合もかかと付きのものがよいでしょう。登山用のトレッキングシューズは足首が固定されるのでおすすめです。
貝殻や細かい石、ガラスの破片など、砂浜には鋭利なものが落ちているので、裸足で歩くのは避けましょう。
移動を繰り返すこともあるので、荷物はできるだけコンパクトにしましょう。このくらいのサイズ(25×40cm、高さ30cm前後)の、バッカンと呼ばれる防水バッグがひとつあると便利です。
このように遠浅になっている場所であれば、海に立ちこんで釣りをする人もいます。ただし、引き波に足をとられると危険なので、浸かるのはくるぶしくらいまでにしておきましょう。
ルアー釣りの服装です。ルアーを少しでも遠くに飛ばしたいので、ウェーダーがあると便利です。
ウェーダーは水中に立ちこんで釣りをする際に着用する釣り用の防水長靴。立ち位置を水中にできる分、ルアーを先に届けやすくなります。
フローティングベストは収納ポケットが充実しているので、移動を繰り返す砂浜の釣りでは便利です。また、万が一流されてしまったとき、岩場に身体を打ちつけても衝撃が少しでも緩和されるよう、ポケットには仕掛けボックスが入っているといいです。
フローティングベストの背中はちょっとした収納にもなっているので、使用頻度の低いものはここに入れておいてもいいでしょう。
フローティングベストは股紐がついているタイプが安全です。流されたときも、ベストが身体から離れないようになっています。
フローティングベストのDリングにフィッシュグリップなどの小物を取り付けておけば、サオを持ちながら取り外しができます。
釣れた魚の口にかけるフィッシュグリップという道具です。歯が鋭い魚もいるので、ルアー釣りで大物をねらう場合は持っておいたほうがよいでしょう。
砂浜は雨風を防ぐ場所がありません。冬場は防寒、防水性能の高いものを着用しましょう。夏場は直射日光を防げる格好を意識しましょう。
腰のベルトに引っ掛けるタイプのポケットです。仕掛けやオモリなども入れておくのに便利です。
仕掛けの交換などで、意外とゴミが多く出ます。風で飛んでいかないようにクーラーボックスなどに入れて持ち帰りましょう。
砂浜に刺すタイプのサオ受けがあると仕掛けを準備するときに便利です。砂浜に直に置くと、誤って踏んで折ってしまうこともあります。サオ受けがなくても、直接砂浜に置くのは避けましょう。
レジャーシートを持って行く場合、風で飛ばないよう四隅に荷物を置いておくとよいです。
砂浜からルアーを遠投して、さまざまな魚がねらえます。代表的なのはスズキ、ヒラメ、マゴチなどです。どんな釣り方なのか紹介します。
ルアー用の道具は、重いルアーを遠くに飛ばせるような組み合わせにします。サオは、10フィート(約3m)前後で、ミディアムライトパワーからミディアムパワーのスピニングロッドを使います。リールは3000~4000番のスピニングリール。ラインはPEライン1~1.5号で、先端に20~30Lbのフロロカーボンライン(リーダー)を接続します。PEラインは強度が高いのですが、しなやかなのでルアーに絡まりやすい、というデメリットがあるため、硬くてシャキッとしているフロロカーボンラインを接続するとよいでしょう。結び方(ノット)にもいろいろな方法があるので、強度の高いノットを覚えておきましょう。
◆釣りザオやリールについてはこちらもチェック!
砂浜の釣りで使うルアーの代表的な例です。底に沈めて使うものや、水面を引いてくるものなどさまざまな種類がありますが、いずれも遠くへ飛ばせるように工夫されているルアーがほとんどです。
いくつかの種類のルアーを交換しながら、魚の反応を探っていくことが釣果への近道です。素早く交換ができるように、ワンタッチで取り外しができるスナップがあるとよいです。
サオにルアーの重みを乗せて、サオの反発力で飛ばすのが遠投するコツです。遠くに飛ばせるようになればより魚との遭遇率が上がるので、砂浜の釣りでは遠投は大事な要素のひとつなのです。
■投げ方はこちらをチェック
https://www.youtube.com/watch?v=X83cJOX5OeQ&t=22s
小魚を模したボディーに、水中で回転する金属の板(ブレード)がついた「スピンテールジグ」というルアーです。とくに操作を加えなくてもブレードが回転して魚にアピールできるので、初心者の方におすすめです。
◆ルアーの種類についてはこちらもチェック!
ルアー釣りと同じタックルで、チョイ投げの釣りが楽しめます。食べて美味しいシロギスやハゼ、イシモチなどがねらえます。シロギスを例に釣り方を紹介します。
時期としては、夏から秋にかけては浅瀬にいろいろな魚が集まってくるので、そこまで遠くに投げなくてもいいのでおすすめです。12月いっぱいはチョイ投げで楽しめるでしょう。
短めのサオで10~50mくらいまで投げる釣り方のことをチョイ投げと呼びます。
仕掛けです。初めは「完成仕掛け」と呼ばれるものを使うとよいでしょう。2~3本のハリがイトに結んであり、オモリにつけるだけですぐに使うことができます。選ぶときにまず見るべきなのは、ハリの大きさです。普通のシロギスのサイズであれば、6~8号(数字の若いほうがサイズが小さい)くらいでいいでしょう。
袋から取り出した仕掛けはクセがついているので、伸ばしてクセを取ってから使うようにしましょう。
チョイ投げ釣りには天秤型のオモリを使います。ミチイト、仕掛けはスナップで接続するので簡単です。
オモリは18~30gくらいのものがあるとよいでしょう。
エサはジャリメ(左)、アオイソメ(右)をおもに使います。ジャリメのほうが細く、シロギスの口に入りやすいです。一方、アオイソメはジャリメよりも太く、匂いも強いので、水中での存在感があります。どちらもキスが好むエサですが、こうした特性を意識して使い分けましょう。
エサを触るのに抵抗がある人は、指サックをつけるとよいです。
アオイソメやジャリメがつまみやすくなる滑り止めです。エサのつけ方は釣果に大きく関係してくるので、慣れないうちはこうしたものがあるとエサがつけやすくなります。
エサ箱に入れると持ち運びやすいです。しかし、保冷力があまりなく、エサが傷んでしまうことがあるので、小分けにして使わないほうは氷(保冷剤)を入れたクーラーボックスに入れておきましょう。
シロギスは口が細いので、フトコロ幅(ハリ先と軸)が狭く、全体的に細長い形状したハリを使うことが多いです。また、アオイソメやジャリメなどのエサが刺しやすいように、軸が真っすぐで長くなっています。
アオイソメ、ジャリメともにつけ方は同じで、頭のほうから刺していきます。
ハリの軸に沿って刺しこんでいきます。
最後はハリ先を出します。
シロギスはエサを食べるとき、口を大きく空けるのではなく、吸い込むように捕食します。そのため、ジャリメやアオイソメを1匹まるまる使わず、半分くらいに切って使う人も多いです。ただし、水中での存在感を重視して1匹まるまる使うことが効果的な場合もあります。その日の状況を見ながらエサのつけ方を工夫することが、釣果への近道です。
この釣りでまず大事なのは、遠くに投げることです。
サオ先から仕掛けまでの長さを「タラシ」と呼びます。タラシが短すぎると、サオに重みを乗せて投げづらいです。30cmくらいは取るようにしましょう。
波が落ち着いているところをねらうとよいです。仕掛けが海底に留まりやすく、魚がエサを捕食しやすい環境だからです。
川の水が流れ込むエリアはさまざまな生きものが集まる場所で、砂浜のなかでも一級スポットです。ただし、シロギス以外にもフグやエイなども多く集まる場所でもあります。
これはフグの鋭い歯に切られたイトです。エサを取られるうえに、イトを切ってしまう、シロギス釣りでは少し厄介な魚です。
仕掛けを投げて、底まで着いたら引いてきながらアタリを待ちましょう。シロギスは群れで生活しているので、アタリが集中する場所がわかれば数を釣ることも可能です。
場所を探る方法はふたつです。まずはリールを巻かずにサオを引いてくる方法です。仕掛けが浮き上がらないように、底をズルズルと引いてきます。このとき大事なのが、海底の起伏を感じながら引くことです。「ヨブ」といって、ほかより盛り上がっているところがあるのですが、シロギスはヨブの際に着いていることが多いからです。
サオを引かずに、リールを巻いてズルズル引いてきてもOKです。この場合も仕掛けが底から浮き上がらないようにすることが重要です。
アタリがあってもサオをあおってアワセる必要はありません。シロギス用のハリはひねりが入っていて、口に入ったらハリ掛かりしやすいようになっています。
砂がリールに入った状態で回すと、ギアに砂が入って壊れてしまう可能性があるので、できるだけ砂浜に直接置かないようにしましょう。帰宅後は水道水で洗って、潮や砂を落として乾かしましょう。ただし、リールによっては真水洗いができないリールもあるので確認しましょう。
今回は、砂浜の釣りを紹介しました。同じタックルで大物ねらい、チョイ投げの両方が楽しめるのが魅力ですね。動画でも紹介していますので、ぜひご覧ください。