釣りのトラブルシューティング&準備

準備

No. 06

【フィールド別 釣りの準備~湖の釣り編~】

この連載は釣りの準備がテーマ。
準備といっても、釣り方や釣り場によって
用意するものは様々です。何を持っていけばいいんだろう?
という準備の疑問を解決。必需品からお助けアイテムまで、あなたの釣りをサポートします。
今回のテーマは「湖の釣り」です。
日本全国、たくさん湖があり、そこではさまざまな釣りが楽しめます。
それでは湖にはどんな種類があるのか、釣れる魚や必要な道具はどんなものがあるのでしょうか?
さっそくみていきましょう!

湖の釣りに行ってみよう

湖の釣りを楽しむために準備するものリスト

服・小物

  • 動きやすい服装
  • 帽子
  • ライフジャケット
  • 滑りにくい靴
  • クーラーボックス
  • レインジャケット
  • 偏光サングラス
  • 日焼け止め
  • タオル
  • ゴミ袋

釣具

  • サオ
  • リール
  • ハリ
  • ハリス
  • ウキ
  • ウキ止め
  • ウキストッパー
  • オモリ
  • エサ
  • エサ箱
  • ルアー
  • ハサミ

湖の種類

日本には「湖」と呼ばれる場所から、「池」や「沼」または「浦」という場所まであります。それぞれどんな違いがあるのかみていきましょう。

富士五湖のひとつである河口湖です。火山の噴火でできた天然湖で、ところどころに溶岩帯があるのが特徴です。バス釣りのメッカであり、プロトーナメントが開催される湖でもあります。

福島県の桧原湖です。磐梯山の噴火によってできた湖です。標高800m超という場所にあるため、冬季は湖面が凍結します。ブラックバスが生息するほか、大型のイワナや、冬季のワカサギ釣りなど、周年釣り人でにぎわいます。

神奈川県西部に位置する芦ノ湖です。こちらも火山の噴火でできた湖で、深いところで水深40m以上あります。おもにブラックバス、ニジマス、ブラウントラウトなどが放流されています。

茨城県にある霞ヶ浦です。日本では琵琶湖の次に広い湖です。「浦」というのは、海が陸地の中に入り込んで湾曲した地形のことを指します。霞ヶ浦はもともと海が内陸部に深く入り込んだ入江だったので、「浦」という名前がついています。

霞ヶ浦の東側に位置する「北浦」の最上流部です。一般的には、霞ヶ浦を構成する湖のひとつとされ、全体的に細長く、霞ヶ浦よりも水深が浅いのが特徴です。

茨城県南西部にある、牛久沼です。「沼」は、全体的に水深が浅く、水生植物が沖まで生えているようなところのことを指します。牛久沼は水深は深くても3m、平均で1mと非常に浅く、アシやガマといった水生植物が全域に生えているのが特徴です。

これは神奈川県の相模湖です。神奈川県の中心部を流れる相模川の上流にあるダム湖(人造湖)です。釣り用語ではダム湖のことを「リザーバー」と言ったりします。相模湖のさらに上流には津久井湖という湖があり、どちらも県下の水がめとして機能しています。

これは和歌山県の合川ダムというところのダムサイトです。ここから下流に向かって放水などを行ないます。「ダム」というと厳密にはこのダムサイトのことを指すのですが、湖のことを「〇〇ダム」と呼んでも間違いではありません。

湖で釣りをする場合、遊漁券が必要なことがあります。場所によって違うので、必ず確認しましょう。

遊漁券はその湖を管理する漁業協同組合(「漁協」と略されることが多いです)に対して支払うものです。漁協は湖の桟橋の整備や魚の増殖、放流などを行なっています。釣り人が払ったお金が、釣り人のために反映されているのですね。

湖で釣れる魚

それでは、湖ではどんな魚が釣れるのでしょうか。場所によって生態系はさまざまですが、その一部をご紹介します。

湖の釣りで人気の魚のひとつ、ワカサギです。体長10cmほどまで成長し、天ぷらなどにするととても美味しい魚です。群れで生息するので、たくさん釣ることができます。1日3桁の釣果もねらえますよ。

ブラックバスです。北米原産で、日本には1925年に芦ノ湖に移入されたのが最初とされています。好奇心旺盛な肉食魚で、さまざまな種類のルアーで釣れることから、ゲームフィッシングで人気の高い魚です。大きいもので60cmまで成長することもあります。

ブラックバスは外来生物法で特定外来生物に指定されています。国の許可を得た場合以外は、飼育、生きたまま持ち運ぶことが禁止されています。釣ることや、釣ったバスを逃がす(キャッチ&リリース)ことは可能ですが、地域によっては条例などでキャッチ&リリースが禁止されている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

ブルーギルです。大きさは15cmほどから、最大で30cmほどまで成長します。流れのない浅場を好み、ブラックバスと生息域が似ています。バスと同じく北米原産で、特定外来生物に指定されています。

コイも湖ではよく釣れる魚です。練りエサやミミズなどで釣れるほか、ルアーで釣れることもあります。河口湖などでは1m級の大ゴイをねらうファンも多く、ボール状の硬い練りエサである「ボイリー」を使うイギリス発祥の釣り方が人気を集めています。コイヘルペス拡大防止のため、持ち出しや移動を禁止している水域もあります。

ニゴイです。雑食性で、時には小魚を捕食することもあるので、ルアー釣りで釣ることができます。川の中~下流域から汽水域、湖に生息します。小骨が多く、あまり食用にはされません。

琵琶湖の固有種であるホンモロコです。体長10cm前後のコイ科の魚で、塩焼きや煮付けなどにすると美味しく、食用としても親しまれています。そのほか、奥多摩湖や河口湖などにも移植されています。

ニジマスです。20cm前後から、最大では1m級まで迫る個体もあります。もともとニジマスはサケと同じように、産卵のため海に降る魚です。成長のスピードが速く、湖でもかなり大型まで育ちます。

ブラウントラウトです。ヨーロッパ北部原産の魚です。ニジマスと同じく降海性を持ち、大型のものは1mに迫ります。日本では栃木県の中禅寺湖などで大型のブラウントラウトが釣れるので人気です。おもにルアー、フライフィッシングなどでねらう人が多いです。

ボラです。霞ヶ浦のような汽水域では釣れることがあります。雑食性なのでエサ釣り、ルアー釣りどちらでも釣れます。最大で80cmを超える個体もあります。

上から淡水サヨリ、ワカサギ、シラウオ。どれも霞ヶ浦に生息する魚です。

マナー、装備で気をつけること

湖や池、沼などは近隣住民の方々の生活の動線になっていることもあります。迷惑な行動を取らないように注意しましょう。
また、特別な装備はありませんが、オカッパリ(ボートに乗らず陸から行なう釣り)では、ほかの釣り人とも距離が近いので、ケガに繋がらないような注意が必要です。

どんな釣り場でもそうですが、湖の周りも近隣住民の方々の生活の動線になっている場合がほとんどです。駐車マナーを守って、迷惑をかけないように気をつけましょう。

駐車スペースがないような釣り場では、自転車での釣行もおすすめです。むしろ、車よりも機動力を活かしていろんなポイントでサオが出せるというメリットもあります。

車に積める折り畳み自転車はとても便利です。電動アシストつきだと長距離の移動も難なくこなせます。

折り畳み自転車は車輪が小さく、漕ぎ出しに力がいらないのもメリットです。細かい移動を繰り返す釣りだとかなり便利です。

マナーの悪い釣り人によるゴミのポイ捨てなどで、釣り禁止になってしまうこともあります。なにより、環境破壊は魚たちの棲み処を荒らしてしまう行為です。

当たり前ですが「釣り禁止」や「立ち入り禁止」と書かれているところでは素直に釣りを止めましょう。釣り人の行ないが原因で、こうした場所が増えているのが現状です。

たとえば霞ヶ浦は標高が低い平地であるため、近隣ではこうした田園風景が広がっています。農繁期にはトラクターなども行き交います。迷惑にならないようにしましょう。

これは牛久沼でエビ捕りを楽しむ人たちです。釣り以外にも湖を利用する人がいることを忘れないようにしましょう。

ここからはバス釣りのオカッパリ(ボートではなく、岸から行なう釣りのこと)における準備についてご紹介いたします。

湖のオカッパリの釣りの荷物についてです。バッグは肩掛けタイプのものが取り回しがよいでしょう。

なぜなら、立ったまま仕掛けの交換を行なうこともあるからです。サイズはこのくらいのものがちょうどよいです。

荷物は最低限にするのがコツです。とくにバスのオカッパリは移動を繰り返すことが考えられるので、次のポイントで使いそうなものだけをバッグに入れて移動するようにしましょう。使わなさそうなものは、車に置いておきましょう。

バッグはポケットがふたつ以上あると便利です。頻繁に取り出す可能性のあるルアーやハサミなどと、車のカギや財布などの貴重品は、分けて収納するようにしましょう。

いつ雨が降ってきてもいいように、レインウエアは必ず用意しておきましょう。

足もとのよい場所だけとは限らないので、グリップ力の強いトレッキングシューズなどがおすすめです。

このような斜面は滑りやすいので慎重に上り下りしましょう。雨で濡れているときなどは要注意です。

トゲのある植物もよく生えています。夏場でもできれば肌を覆ったほうが無難かもしれません。

雨が降っていなくても濡れている場所もあります。やはり足回りは油断せず準備することが大事です。

偏光サングラスは必須アイテムです。水中が見やすくなるだけでなく、誤って仕掛けが飛んできたときなど、目を守ってくれます。とくに周りにも釣り人がいるオカッパリでは必ずつけておきましょう。釣具屋さんに行けば、5000円ほどで高性能なサングラスが購入できます。

蚊やブヨ、アブなども生息するので、虫よけスプレーを持っておくとよいでしょう。手首や帽子のつばの裏などに数回吹きかけるだけで充分効果があります。

移動するときはサオの下のほうを持って、サオを立てるようにしましょう。無意識にサオ先を地面にこすってしまうことがあります。

移動時に仕掛けをぶら下げたままだと危険ですので、サオのガイド(イトを通す部分のこと)に引っ掛けておくか、外付けのキーパーに引っ掛けるなどしたほうがよいです。なお、ガイドに引っ掛けるときは、イトが通る部分ではなく、ガイドとサオを接続する部分(「ガイドフット」と呼びます)に引っ掛けるようにしましょう。ガイドに直接引っ掛けると、ガイドを傷つけてしまうからです。

スピニングリールで仕掛けを仕舞って移動する場合、リールのイト巻き部分(スプールと呼びます)を保護するものがあると便利です。移動時にイトが絡まる心配がありません。

釣りザオは踏むと簡単に折れてしまいます。とくにサオ先は細いので折れやすいので、このように地面に無造作に置かないようにしましょう。サオの扱い方についてはこちらをご覧ください。

あまりその場を動かない釣りでしたら、こうしたサオ受けがあると便利です。

釣りの準備中、車のドアを開けたままサイドミラーの内側にサオを立て掛けておくと、強い風が吹いたときにドアが閉まって折ってしまうなんてことも……。必ず外側に立て掛けるようにしましょう。

ゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。風が吹いて不意にゴミが飛んでいってしまうこともあるので、ゴミ袋や蓋付きのボックスなど、仕舞えるものがあると便利です。日釣振では「ゴミ持ちかえる袋」を協力釣具店で無料配布しているのでご活用ください。

オカッパリのバス釣りで準備するもの

それでは、実際にどんな道具を準備すればよいでしょうか。バス釣りのオカッパリを例に、初心者の方にも扱いやすいルアーも紹介していきます。

ブラックバスをルアーで釣るためのタックルには2種類あって、右のスピニングタックル、左のベイトタックルがあります。

ベイトタックルです。スピニングよりも太いイトを巻くことができ、また、投げて巻くまでの手返しが素早く行なえるというメリットがあります。

ベイトリールはバックラッシュと呼ばれるトラブルが起こりやすいものでもあります。でも未然に防ぐ方法や対処法を知っておけば安心です。ベイトリールのバックラッシュについてはこちらをチェック!

スピニングタックルです。リールがサオの下側についています。ベイトよりも細いイトを巻くのに適しており、より遠くまで仕掛けを投げることができます。

スピニングリールにもトラブルはあります。原因と対策についてはこちらをチェック!

ベイトタックルで初心者の方におすすめのルアーを紹介していきます。こちらはクランクベイトというジャンルのルアーです。ずんぐりとした魚の形状をしており、投げて巻くだけでブルブルとアクションするので扱いやすいです。

スピナーベイトというジャンルのルアーです。上部についた金属のブレードというパーツが回転して、水中でキラキラと光り魚にアピールします。また、クランクベイトと違って根掛かりしづらいというメリットもあります。これも初心者の方でも扱いやすいルアーと言えるでしょう。

バイブレーションというジャンルのルアーです。投げて巻くだけで、ブルブルとボディーを小刻みに左右に振り、魚にアピールします。

次にスピニングタックルでよく使われるルアーです。これは軟らかいプラスチック製のもので、「ワーム」と呼びます。このようにとくに形に特徴のない真っすぐなワームは、「ストレートワーム」というジャンルのワームになります。

ストレートワームの真ん中あたりにハリをちょんと掛けるだけの仕掛けのことを、「ワッキーリグ」と呼びます。とてもシンプルかつ、バスがよく釣れる仕掛けなので初心者の方にもおすすめです。

ストレートワームのワッキーリグで使うハリはこうしたシングルフックというものを使います。使うワームによって適したサイズ、形状があるので、釣具屋さんで聞いてみましょう。

バスは障害物や、ちょっとした変化のあるところを好みます。杭や流れ込み、橋脚などなど……挙げればキリがありませんが、意外と岸から近い場所に潜んでいるのも面白いところです。

バス釣りはルアーの交換でよくイトを切ることが多いです。小さなイト屑の回収が楽なポーチなどがあるとよいでしょう。

引っ掛かって回収できなくなってしまった仕掛けです。初心者のうちは無理せず、回収できないような場所に投げるのはやめておきましょう。

以上が湖の釣りの紹介です。バス釣り以外にもいろいろな釣りが楽しめるので、ぜひ挑戦してみてください!

◆動画でも詳しく解説しているのでご覧ください!
釣りの準備&道具がわかる!湖 編【釣りあそびジャーナル】